今回から、「2022年度版 実装技術ロードマップ」の第2章第4節である「情報通信」の概要を紹介する。第4節は「情報通信概要」「データセンターサーバー」「モバイル」の3項で構成されている。
電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を本コラムの第377回からシリーズで紹介している。第380回から前回までは、第2章「注目される市場と電子機器群」から第3節(2.3)「ヒューマンサイエンス」の概要を報告してきた。
今回からは第4節(2.4)「情報通信」の概要を紹介していく。なお、第3節(2.3)「ヒューマンサイエンス」では総計22回と、内容紹介に費やす回数があまりにも多すぎたと感じている。第4節(2.4)「情報通信」からはご報告の進行を速めていくのでご了承されたい。なお、より詳しい内容をお知りになりたい方には、実装技術ロードマップ本体のご購入(購入ページはこちら)を推奨する。
話題を戻そう。第4節(2.4)「情報通信」は以下のようなパートで構成される。第1項(2.4.1)「情報通信概要」、第2項(2.4.2)「データセンターサーバー」、第3項(2.4.3)「モバイル」である。さらに第1項は第1目(2.4.1.1)「第5世代移動通信システム(5G)の普及状況」と第2目(2.4.1.2)「6G(Beyond 5G)」に分かれる。それから第3項は第1目(2.4.3.1)「モバイル通信インフラ」と第2目(2.4.3.2)「AR/VR/MR」で構成される。
2019年6月に発行された「2019年度版 実装技術ロードマップ」でも、「注目される市場と電子機器群」で「情報通信」を取り上げていた。例えば「サイバーフィジカルシステム(CPS)」や「Society 5.0」などの記述は2022年度版と2019年度版で重複する部分が多い(参考記事:「情報通信技術の進化が促す次世代社会「Society 5.0」」)。
そこで本シリーズでは2022年度版で新たに追加された部分を中心に、概要を報告していく。特に大きな変化は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行(パンデミック)である。このパンデミックの情報通信への影響が記述として追加された。また従来の開発路線として、第5世代移動体通信システム(5G)の次を担う次世代移動体通信システム(6G)に関する記述が加わった。
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