新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、日本におけるインターネット・トラフィックの急激な増大をもたらした。総務省が毎年5月と11月に集計(推定)している「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計結果」によると、COVID-19の流行による経済活動の変化によってトラフィック量(ビット/秒)は従来の増加ペースをはるかに上回る大幅な増加を見せた。
インターネットのトラフィック量は固定系ブロードバンド契約者によるダウンロードが主流を占める。2016年〜2019年は、おおよそ年率20%前後で増加していた。ところが2020年5月には、ダウンロードのトラフィックが前年同月比で57.4%増と急激な伸びを見せた。
日本では2020年2月〜3月から急激にCOVID-19の影響が強まり始めた。北海道における独自の緊急事態宣言(2月28日)、プロ野球オープン戦の無観客試合(2月29日決定)、大相撲春場所の無観客開催(3月1日決定)、選抜高校野球大会中止(3月11日決定)などの対応が相次いだ(以上の情報は東京大学保健センターのウェブページに基づいた)。続く4月には緊急事態宣言が発出された(7日に7都府県対象、16日に全国に拡大)(この情報はアジア刑政財団のウェブサイトに基づく)。
そしてCOVID-19の影響が沈静化したとみられる2022年11月時点においても、固定系ブロードバンド契約者によるダウンロードのトラフィック量は前年同月比23.7%増となっており、従来と同様に増加し続けている。COVID-19による急増の反動は、あまり見られない。
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