名古屋大学未来材料・システム研究所の原田俊太准教授は、Anamorphosis Networksと共同で、製造プロセスを自動化するための「AI制御アルゴリズム」を開発した。現在、同アルゴリズムを実装した結晶成長装置の試作機も、三幸と共同で開発している。
名古屋大学未来材料・システム研究所の原田俊太准教授は2023年7月、Anamorphosis Networksと共同で、製造プロセスを自動化するための「AI制御アルゴリズム」を開発したと発表した。現在、同アルゴリズムを実装した結晶成長装置の試作機も、三幸と共同で開発している。
浮遊帯域溶融(FZ)法を用いた半導体シリコンウエハーの製造では、熟練作業者が溶融帯を観察しながら、溶融帯の下部に結晶を育成していた。この時、原料の降下速度と加熱出力を適切に調整しながら単結晶の育成を行うため、これらの作業には長年の経験やノウハウが必要となり、自動化は極めて難しかったという。
そこで原田氏らは、限られた操業データから溶融帯の状態変化を推定するモデルを構築。「強化学習」と呼ばれる機械学習手法を用いて、制御するアルゴリズムを開発した。FZ結晶成長のシミュレーターを用いた実験では手動制御に比べ、より理想形状に近くなることを確認した。なお、開発したアルゴリズムは、作業者が介在するような他の製造プロセスにも応用できるという。
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