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» 2023年07月28日 09時30分 公開

ルネサス、23年度2Q業績は予想比上振れ前四半期比で増収増益(2/3 ページ)

[永山準EE Times Japan]

「DDR5への移行が急速に進行」、データセンター向けに期待

 柴田氏は、各用途別の足元の状況や見通しについても言及。低迷が続いていたPC、コンシューマー向けについては、「前年対比では大きく沈んだままだが、ほぼ想定通り第2四半期で底を打ち、第3四半期以降は回復を見込んでいる」との見方を示した。

 さらに、データセンター向けでは、「足元だけを見れば、DDR5(メモリ技術)への移行が急速に進んできている。これにより少なくとも次四半期では大きな成長を見込んでいる」と強調した。柴田氏は、「一部、まだDDR4を使う顧客で在庫消化のために購入を絞っているところもあり、それが戻ればリバウンドがあるかもしれない」としつつも、「足元だけでいえば、DDR5に急激に動いているように見えている。われわれにとっては、コンテンツがかなり増えるため、このトレンド自体はプラス要因だ」と期待を見せていた。

 また、これまで好調に推移してきた産業向けについては、「前年度比での成長は続くが、成長ペース自体は鈍化すると現時点で見込んでいる」とした。

 自動車向けについては、不透明な状況が続くと見ているという。柴田氏は、「もっと(需要が)強くなる可能性もあると思っていたが、現時点ではそうでもなさそうだ。この状態が継続していくだろうというのが、足元での感覚だ」と説明。同社はこの状況には、大きく2つの要因があるとした。まず、中国での電気自動車(EV)の急激な伸びに対する内燃機関の減少が、「特に日系の顧客を通じて不透明感につながっている」こと。そして、「グローバルのティア1顧客ではキャッシュフローがタイトな状況で、相当、在庫を抑えて管理している」ことだ。柴田氏によると、この在庫調整によって車載半導体の需給状況は、「そもそも供給が限られているものと、顧客が在庫を抑えようと発注を絞ったものの、需要が増えたため短期的に足りなくなったもの」が混在しているような状況になっているのだという。

自社在庫、販売チャンネル在庫の動き

 第2四半期における在庫水準に関しては、自社在庫はDOI(Days of Inventory)が前四半期(107日)から減少し、102日となった。事業別でみると自動車向け、産業・インフラ・IoT向けともに減少している。販売チャンネル在庫は、自動車向けが微増、産業・インフラ・IoT向けも想定通りの若干増となり、WOI(Weeks of Inventory)は9週弱で着地した。

自社在庫とDOI販売チャンネル在庫とWOI 左=自社在庫とDOI/右=販売チャンネル在庫とWOI[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 自社在庫の増減要因を見ると、金額規模では、前四半期から103億円減となった。原材料は生産調整によるウエハーの投入減によって増加していて、第3四半期も生産調整を行うことから同様に増加する予定だという。仕掛品は、前工程の加工を終えたウエハーを備蓄する「ダイバンク」を拡充した一方で、生産調整によって仕掛かりが減少したため、結果として前四半期からフラットで着地した。第3四半期もダイバンク拡充を進めるほか、完成品在庫を抑制する(仕掛かりで留める)ことから、若干の増加を見込む。

 完成品については、需要に応じた出荷を進めたほか生産調整による在庫減も進み、第2四半期は想定通り減少した。第3四半期は、一部の製品で顧客の認証が遅れているものがあり、一時的に若干増となる見込みだという。

 チャンネル在庫は、自動車向け、産業・インフラ・IoT向けともに第2四半期は若干増となった。第3四半期についても、ともに在庫保有水準を増加する想定だ。

在庫増減要因[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス 在庫増減要因[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 柴田氏は、「現在の在庫保有水準は目標を下回っていて、基本的に、目標に近づけるため在庫を増やしているところだ。もっと先々の見通しが明るければ一気に水準を増やしていかなければいけいないが、必ずしもそうではない。そのため少しずつ様子を見ながら増加している」と説明していた。

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