Ericssonが発行した「モビリティレポート 2023年6月版」によると、5G(第5世代移動通信)モバイル加入契約数は、2028年に46億に達する見込みだ。けん引するのはインドだという。
エリクソン・ジャパンは2023年7月、記者説明会を開催。同社のCTO(Chief Technology Officer)を務める鹿島毅氏が、Ericssonが発行した「モビリティレポート 2023年6月版」の詳細を紹介した。
同レポートによると、5G(第5世代移動通信)モバイル加入契約数は、2023年末までに15億に、2028年には46億に達する見込みだ。5Gの人口カバー率は2022年に35%に達した。2028年には85%に到達するとEricssonは予測している。
5Gモバイル加入契約数は世界の全ての地域で増加していて、特にインドがけん引役になっているという。2022年8月に5Gサービスが開始されたインドでは、5G契約数が2022年末の時点で約1000万に達した。2028年末までには、インド国内のモバイル契約の約57%を占めると推定されている。なお鹿島氏によると、4G(第4世代移動通信)の加入契約数のピークはことし(2023年)で、52億に達するとEricssonは見ている。ただし、その後は緩やかに下がっていくとする。
上の右図にも示されている通り、地域ごとでは北米と北東アジア(日本も含まれている)で、5G加入契約数の割合が高い。いずれも、5Gのサービスが世界で最初に始まった地域だ。鹿島氏は、「中南米や東南アジアでは、マクロ経済や周波数割り当ての遅れなどから、5G加入契約数の増加の見込みが少し下がっている」と説明した。
前述した通り、北東アジア(日本、中国、韓国、台湾、香港)は5G加入契約数の割合が高いエリアだ。鹿島氏は、この理由を「早い段階から大規模な投資を行ってきたため」と述べる。「北東アジアは5Gのネットワーク構築を積極的に行ってきたエリアで、5Gエコシステムにも多くのプレイヤーがいる」(同氏)。2028年には、北東アジアにおける5G契約数は16億に、5Gの普及率は71%に達する見込みだ。さらに、同年には北東アジアのモバイルデータトラフィックの90%が5G経由になるとする。
5G FWA(固定無線アクセス)の接続数も堅調に増加している。2028年には3億接続を超える見込みだ。現在、5G FWAを提供する通信事業者は100を超えるという。5G FWAに特に関心が高いのはアジア太平洋地域(APAC)の新興市場だ。2028年には、世界のFWA接続の約半分をAPACが占めるとされる。
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