Western Digitalが、HDD事業とNAND型フラッシュメモリ事業の2つの会社に分割すると発表した。HDD事業がWDの社名を引き続き使用し、メモリ事業は株式を現在のWDの株主に分配しスピンオフする。メモリ事業の社名は未定だ。2024年下半期の実施を目指している。
Western Digital(以下、WD)は2023年10月30日(米国時間)、HDD事業とNAND型フラッシュメモリ事業の2つの会社に分割すると発表した。HDD事業がWDの社名を引き続き使用し、メモリ事業は株式を現在のWDの株主に分配しスピンオフする。メモリ事業の社名は未定だ。2024年下半期の実施を目指している。
WDは、キオクシアとの経営統合について2023年10月中の合意を目指して協議を進めていたものの、キオクシアに間接出資するSK hynixの同意が得られず協議を打ち切ったことが複数メディアで報じられていた。今回の発表文でWDは「包括的な選択肢を十分に評価した上で、戦略的見直しを完了した。当社の価値を最大限に実現するためには、フラッシュメモリ事業を分離することが、現時点での最善かつ実行可能な選択肢であると判断した」などと説明している。
WDは2016年にSanDiskを買収することで、NAND型フラッシュメモリ事業に参入。フランスの市場調査会社Yole Intelligenceによると、2022年のNAND型フラッシュメモリ市場において、WDはシェア13%で4位。提携関係にあるキオクシアは18%で2位であり、両社を合わせると31%で首位のSamsung Electronicsに次ぐ規模となっている。
WDのCEO(最高経営責任者)、David Goeckeler氏は、「現在の制約を考慮すると、独立分離を実現することがWDの進化における正しい次のステップだ。当社は現在、ストレージ業界における歴史的な不況から脱しつつあり、過去数年間に行った全ての変革が、各事業の同業他社に対する相対的な業績の良さに表れている。今後、2024年度にかけ、両事業の市場環境は改善するとみている。HDDとフラッシュメモリ両方の投資と資産からさらなる価値を引き出す戦略的機会に対して、引き続きオープンでありたいと考えている」とコメントしている。
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