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Wi-Fi 6E/7向け無給電素子結合デバイスを量産アンテナの高効率化と小型化を両立

村田製作所は、無線LAN規格であるWi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)/7(IEEE 802.11be)向けアンテナの高効率化と小型化を可能にする「無給電素子結合デバイス」を開発、量産を始めた。PCやタブレット端末、スマートフォン、Wi-Fiルーターなどの用途に向ける。

» 2023年12月11日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

2つのコイルを近接配置した小さいトランス状の構造で実現

 村田製作所は2023年12月、無線LAN規格であるWi-Fi 6E(IEEE 802.11ax)/7(IEEE 802.11be)向けアンテナの高効率化と小型化を可能にする「無給電素子結合デバイス」を開発、量産を始めた。PCやタブレット端末、スマートフォン、Wi-Fiルーターなどの用途に向ける。

無給電素子結合デバイスの外観 無給電素子結合デバイスの外観[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 最新の無線LAN規格である「Wi-Fi 6E」や、次世代規格の「Wi-Fi 7」では、通信の品質や速度を向上させるため、複数個の内蔵アンテナを用いる必要があるという。一方で、ノートPCなどでは実装できるスペースが縮小していて、アンテナの小型化が求められている。しかし、小型化すると広帯域での効率が悪くなるという課題もあった。

 新製品は、独自のセラミック多層技術を活用し、これまでの課題を解決した。2つのコイルを近接配置したトランス状の構造で、外形寸法は1.0×0.5×0.35mmと小さい。コイル間の強い結合によって、無給電素子を給電アンテナに強く電磁界結合させた。これにより、小型化しても効率の高いアンテナを実現できるという。

 また、新製品を用いることでアンテナのマッチングを改善できる。このため、通信回路との接続に長いケーブルを用いても、通信性能の低下を抑えることができるという。

 今回用意した新製品は、Middle/High Band用の「LXPC15AHA1-001」、Middle/High Band用ミラータイプの「LXPC15AHR1-002」、Low Band用の「LXPC15ALA1-003」、Low Band用ミラータイプの「LXPC15ALR1-005」、Sub6 Band用の「LXPC15AUA1-008」、Sub6 Band用ミラータイプの「LXPC15AUR1-009」、Wi-Fi 6E用の「LXPC15AWA1-012」および、Wi-Fi 6E用ミラータイプの「LXPC15AWR1-013」である。

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