村田製作所、石原産業および富士チタン工業は、共同出資により、チタン酸バリウムの製造と販売を行う新会社「MFマテリアル」を設立した。2027年には、新工場の稼働を予定している。
村田製作所は2023年9月1日、石原産業および富士チタン工業と共同出資し、新会社MFマテリアル(宮崎県延岡市)を設立した。チタン酸バリウムの製造と販売、原材料の調達や品質保証などを行う。MFマテリアルの資本金は1億円で、設立時点の従業員は230人。出資比率は、富士チタンが70%、村田製作所が20%、石原産業が10%。
3社は2022年9月に、共同出資による新会社設立に向け合意書を締結したと発表。その後、2023年3月に契約締結を発表した。当初、設立は2023年6月1日を予定していたが、準備や協議の最終調整に時間を要し、9月1日の設立となった。
チタン酸バリウムは積層セラミックコンデンサーの材料で、村田製作所にとって富士チタン産業はサプライヤーの1社である。3社は、自動車の電装化などによる積層セラミックコンデンサーの継続的な需要増を見据え、チタン酸バリウムの品質および生産性をさらに向上すべく、MFマテリアルを設立した。MFマテリアルは、チタン酸バリウムの生産能力を強化すべく、2027年にも新工場の稼働を予定している。
村田製作所自身も、積層セラミックコンデンサーの生産能力拡大を急ぐ。2023年8月1日には、積層セラミックコンデンサーの生産能力拡大に向け、同社のフィリピンの生産子会社であるPhilippine Manufacturing Co. of Murataで新生産棟の建設を開始したと発表した。新生産棟への総投資額は約112億円(建屋のみの試算)。完成は2025年9月を予定している。
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