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» 2024年02月01日 11時30分 公開

Intelと台湾UMCのファブ提携で知っておくべきこと両社の狙いを掘り下げる(1/2 ページ)

IntelとUMCが12nmプロセスの開発/製造で戦略的提携を発表した。両社はこの協業によって何を得るのだろうか。本稿では、この半導体製造パートナーシップの動機について掘り下げていく。

[Majeed AhmadEE Times/EDN]

 Intelが台湾のファウンドリー大手UMCと提携し、半導体ファウンドリー市場で新たな展開を見せていく。IntelとUMCが発表した戦略的提携は何を意味し、両社はこの協業によって何を得るのだろうか。本稿では、この半導体製造パートナーシップの動機について掘り下げていく。

提携の内容をおさらい

 まず、今回のファウンドリー契約の基本的な内容をおさらいする。

 IntelとUMCは、モバイルや通信インフラ、ネットワーキングなどの高成長市場に向けた12nm世代のフォトリソグラフィプロセスを共同開発していくという。そして2027年に、米国アリゾナ州チャンドラーにあるIntelの工場「Fab 12」「Fab 22」「Fab 32」において、12nmプロセスの半導体製造を開始する予定だ。12nmプロセスは、IntelのFinFET設計に基づいて構築し、両社は共同で投資を分担する。

IntelとUMC 出所:Intel

 両社は製造技術の他に、EDAツールやIP(Intellectual Property)製品、PDK(Process Design Kit)なども共同で提供し、チップベンダーの12nmプロセス開発をサポートしていくという。ここで重要なのが、Intelは、既に10nmおよび14nmのチップを生産しているアリゾナの3つの工場で使用している多くの装置を、現在計画中の12nmでの製造に活用していく考えであるという点だ。

 Intelは、「装置全体の90%が、10nmと14nmとの間で移行可能だ」と主張している。これらの装置を12nmチップの製造でも使用できれば、設備投資費の削減と利益の最大化を後押しすることが可能だ。

 今回の協業により、両社が相互に利益を得られるのは明らかだが、このパートナーシップがIntelとUMCにそれぞれどのようなメリットをもたらすのかを理解することはやはり重要だ。

Intelの狙い

 まずはIntelについて見ていこう。同社は、Intel Foundry Services(IFS)をファブレス半導体メーカーのための重要な製造拠点として確立すべく、計画を練ってきた。

 Intelの半導体製造で注意すべき重要な点は、IFSが以下の3つのプロセスノードにアクセス可能であるということだ。

 まず1つ目の「Intel 16」ノードは、安価な低消費電力製品を開発しているコスト意識の高い半導体メーカー向けに、16nmチップの製造を促進する。2つ目の「Intel 3」は、EUV(極端紫外線)リソグラフィ装置を使用して最先端ノードを製造できるが、同社は、十分に実証済みのFinFETを継続する。そして3つ目の「Intel 18A」は、GAA (Gate-All-Around)構造を持つFETである「RibbonFET」とバックサイド電力供給技術「PowerVia」を適用し、性能とトランジスタ密度に焦点を当てた最先端プロセスノードとなる。

 IFSは、これら3つの他にも、幅広いアプリケーションに対応できるようポートフォリオを拡充していく必要がある。一方のIntelは、自社製CPUを先端プロセスノードへと移行する間、生産能力にかなりの余裕を持つことになる。

 このため、IntelはIntel 20AやIntel 18Aなどの最先端プロセスノードの製造を他の工場に移行する一方で、アリゾナのFab 12、Fab 22、Fab 32において、さまざまな種類のレガシーノードや低コストノードの半導体チップを自由に製造できるようになる。Fab 12とFab 22、Fab 32は現在、Intelの7nmと10nm、14nm、22nmノードのチップを製造している。

Intelの工場内部 Intelの工場内部 出所:Intel

 さらに重要なのが、IFSは、UMCの大手顧客基盤へのアクセスを獲得し、Intelの減価償却済みで活用されていない工場において、RFやワイヤレスといった分野の製造専門知識を活用できるという点だ。IntelがTower Semiconductor(以下、Tower)との間でも同様の協定を結んでいることについて言及すべきだろう。完全に減価償却した「Fab 11X」(ニューメキシコ州リオランチョ)でTower向けに65nmチップを製造しながら収益を上げられる。

 IFSは、TSMCやSamsung Electronicsに対し、最先端の微細ノードで真っ向から競争している。今回、UMCやTowerのような実績あるファウンドリーと提携したことで、成熟ノードにも対応可能になる。これは、Intelが最先端の製造プロセスでCPUを製造している時にはできなかったことだ。さらにIFSは、成熟ノードでの半導体製造によって、GlobalFoundriesに対して新たな戦線を開拓できる。IFSのシニアプレジデント兼ゼネラルマネジャーであるStuart Pann氏は、「UMCとの戦略的提携は、2030年までに世界第2位のファウンドリーになるという目標に向けた重要な一歩だ」と述べている。

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