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HDD大手Western Digitalの四半期業績、売上高が2四半期連続で上昇福田昭のストレージ通信(259)(1/2 ページ)

今回は、米Western Digitalの2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)の業績を報告する。

» 2024年02月06日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

営業損益は赤字ながらも金額は縮小

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2024年1月24日、WDが同年1月25日である。そこで、Seagate(今回)とWD(次回)の四半期業績を続けてご報告している。前回はSeagateの業績概要を紹介した。今回はWDの業績概要をご報告する。

 WDの会計期間はSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。1月25日に同社が発表したのは2023年10月〜12月期の四半期業績で、会計年度では「2024会計年度第2四半期(Q2FY24)」となる。

 WDはHDDの大手ベンダーであるとともに、フラッシュメモリ応用品の大手ベンダーでもある。HDD事業とフラッシュメモリ事業の売り上げ比率は若干の変動はあるものの、おおむね半分ずつを占める。本稿では両方の事業について、四半期業績の発表資料から説明する。

 2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)の売上高は前四半期比(前期比)10.3%増、前年同期比2.4%減の30億3200万米ドルである。営業損益はNon-GAAPベースとGAAPベースともに赤字が続く。同四半期の営業損失はNon-GAAPベースが9100万米ドル、GAAPベースが2億1000万米ドルである。前の四半期はそれぞれ4億4300万米ドル、5億9600万米ドルの営業損失だったので、赤字幅そのものは大きく減少した。

 2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)の粗利益率は、Non-GAAPベースが15.5%、GAAPベースが16.2%である。いずれも前期から大きく上昇した。前期の粗利益率はそれぞれ4.1%と3.6%だった。

2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)の業績概要 2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)の業績概要(Non-GAAPベース)[クリックで拡大] 出所:Western Digital
Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業利益はGAAPベースなので、業績概要のスライド(Non-GAAPベース)とは数値が一致していない[クリックで拡大]

「クラウド」分野の売上高が前期比で23%増と大きく拡大

 応用分野別の売り上げを見ていこう。WDは売り上げを3つの分野に分けて公表している。すなわち、「クラウド(Cloud)」(パブリックあるいはプライベートのクラウド向け)、「クライアント(Client)」(直接販売、あるいは代理店経由の販売によるOEM向け)、「コンシューマー(Consumer)」(リテールその他の販売チャンネルによる一般消費者向け)、の3つである。

 「クラウド」分野の売上高は前四半期比(前期比)23%増、前年同期比13%減の10億7100万米ドルである。データセンター向けニアラインHDDの出荷増と価格上昇が前期比の増収に寄与した。前年同期比の減収はエンタープライズ向けSSDの出荷減による。全体の売り上げに占める比率は35%で、前期から3ポイント上昇した。

 「クライアント」分野の売上高は前四半期比(前期比)2%減、前年同期比3%増の11億2200万米ドルである。前期比の減少はビット換算出荷の減少がNANDフラッシュの記憶容量当たり価格(平均販売価格)の上昇を上回ったことによる。前年同期比の増加は逆に、クライアントSSDの出荷数量増加が平均価格の低下を上回ったためである。全体の売り上げに占める比率は37%で、前期から5ポイント低下した。

 「コンシューマー」分野の売上高は前四半期比(前期比)15%増、前年同期比6%増の8億3900万米ドルである。前期比の増加はNANDフラッシュ製品のビット換算出荷が拡大したことによる。前年同期比の増収は、NANDフラッシュ平均価格の低下とHDD出荷数量の減少をNANDフラッシュのビット換算出荷が上回ったことによる。全体の売り上げに占める比率は28%で、前期から8ポイント低下した。

応用分野別の四半期売上高推移(2023会計年度第2四半期(Q2FY23)〜2024会計年度第2四半期(Q2FY24)) 応用分野別の四半期売上高推移(2023会計年度第2四半期(Q2FY23)〜2024会計年度第2四半期(Q2FY24))[クリックで拡大] 出所:Western Digital
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