太陽誘電、通期業績予想を下方修正 営業利益69%減見込む:在庫調整長期化で(2/2 ページ)
2023年度通期業績予想は、2023年5月に発表したものから下方修正した。売上高は当初予想の3220億円から10億円下方修正し、前期比0.5%となる3210億円と予想。営業利益は同150億円から50億円を下方修正し、前期比68.7%減の100億円を見込む。PCやメモリといった情報機器やサーバをはじめとする情報インフラ・産業機器の在庫調整が期初想定よりも長引いていて、いずれも需要回復に力強さが見られないためだという。
営業利益が前期比で大幅に減少すると見込む理由は、主に在庫調整が続いていることや、販売製品構成の変化だ。MLCCは中国スマホ向けなどの小型品が好調な一方で、情報インフラ・産業機器向けの大型品の売り上げが想定を下回ったという。この傾向は第4四半期も続く見込みだ。
通期業績予想[クリックで拡大] 出所:太陽誘電
第4四半期の各市場については、自動車向け需要は引き続き堅調に推移し、売り上げ拡大が続くと見ている。一方で、情報インフラ・産業機器は在庫調整が継続し、需要回復ペースは鈍いと予想。通信機器もスマホ向け需要の季節的要因による減少を見込む。
2024年度の業績見通しについて、太陽誘電の経営企画本部 本部長である福田智光氏は「在庫調整が一巡し、業績は上向くと考えている。最悪期は脱した」とし、「次の需要増に向けた準備に注力している状況だ」と説明した。
- スマホ向け好調で増収増益、太陽誘電23年度2Q決算
太陽誘電は2023年11月7日、2024年3月期第2四半期(2023年7〜9月)の決算説明会を開催した。売上高はスマートフォン向けなどを中心に増収し前四半期比14%増の828億1400万円だった。営業利益は27億2100万円で、赤字だった前四半期から33億円増加した。
- 太陽誘電の23年度1Q、回復傾向も黒字転換には至らず
太陽誘電の2024年3月期第1四半期(2023年4〜6月)決算は、売上高が前四半期比0.2%増の726億1200万円、営業損益が5億7700万円の赤字だった。中国系スマートフォン向けの売り上げが好調も、情報インフラ/産業機器向けの在庫調整によるマイナス影響を受けた。
- 電極材料の改良で長寿命化、小型高容量密度の全固体電池
太陽誘電は「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)に出展し、チップ型の全固体電池を展示した。独自開発の正極材/負極材の改良によって、容量密度は50mAh/cm3超を実現した。
- 太陽誘電、チタン酸バリウムの新材料棟が完成
太陽誘電は2023年3月1日、積層セラミックコンデンサーの原材料であるチタン酸バリウムを製造するため、八幡原工場(群馬県高崎市)に建設していた新材料棟の竣工(しゅんこう)式を実施した。同施設は2023年度中の稼働を予定している。
- 村田製作所の23年度上期は減収減益、スマホ向け需要減などで
村田製作所は、2024年3月期(2023年度)中間決算の説明会を行った。2023年度上半期の売上高は前年同期比11.9%減の8104億円、営業利益は同30.7%減の1389億円、純利益は同22.6%減の1252億円だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.