太陽誘電は、2023年度第3四半期の決算を発表した。売上高/営業利益ともに前四半期比で増加したものの、市場の在庫調整の長期化から通期業績予想は下方修正した。通期営業利益は前期比69%の減益を見込む。
太陽誘電は2024年2月7日、2024年3月期(2023年度)第3四半期(2023年10〜12月)の決算を発表した。売上高は前四半期比4.3%増の863億8600万円だった。メモリなどの情報機器向けおよび、スマートフォンなどの通信機器向けの売り上げが拡大したことが主な要因だ。営業利益は同80.1%増の49億円だった。主因はスマホ向けの小型積層セラミックコンデンサー(MLCC)が好調で販売数量が増加したことや、円安による為替の好影響だ。
2023年11月時点の想定と比較すると、売上高は想定の範囲内に収まった。一方、営業利益は在庫減少によって操業度効果が抑制され、想定を下回ったという。
売上高を製品別に見ると、コンデンサーは前四半期比4.3%増の541億9000万円、インダクターは同2.8%増の161億9600万円だった。どちらも主に情報機器向けと通信機器向けで売り上げが拡大したほか、自動車向けも堅調に推移した。一方民生機器向けでは売り上げが減少した。複合デバイスの売上高は、主に中国スマホ向けの通信デバイス(FBAR[圧電薄膜共振子]デバイスおよびSAW[弾性表面派]デバイス)が拡大し、同15.8%増の96億4100万円となった。
用途別の売り上げ構成は、通信機器向けが前四半期比2ポイント増の34%で最大だった。スマホ需要の季節的要因や中国向けの需要回復が影響した。自動車向けは、売上高は堅調だったものの、構成比は同2ポイント減の28%となった。その他の用途分野の売り上げ構成比は前四半期から大きな変化はなかった。
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