光電融合インタフェースメモリモジュール技術の研究開発では、データセンタースケールの光インターコネクトに光で直結できる広帯域メモリモジュールに向けてメモリコントローラーと広帯域バッファーメモリを開発し、大容量のメモリと光チップレットと共に「フォトニックファブリックアタッチメントメモリモジュール」(PFAM)として実装する。PFAMにより、複数の演算リソースから広帯域の光によって確定遅延でアクセスできるメモリプールが実現するという。この研究開発にはNTTのほかにキオクシアが参画する。
確定遅延コンピューティング基盤技術の研究開発では、光電融合技術と光ネットワーク技術の高速性/低遅延性を生かして、データ転送から分析までの一連の処理を確定遅延かつ優れた電力効率で実行するコンピューティング基盤の実現を目指す。そのために、プロセッサ間のデータ転送/処理の不確定性を削減した高効率な確定遅延コンピューティング基盤技術の研究開発を行う。この研究開発にはNTTのほかにNEC、富士通が参画する。
記者説明会に登壇したNTT IOWN推進室長の荒金陽助氏は今回の公募への採択について「光電融合技術については日本政府の半導体戦略にも明記されている。政府の後押しを受けながらしっかりと研究開発を進めていきたい」と語り、「『IOWN Global Forum』のメンバーのようなグローバルの企業との連携も視野に入れて取り組んでいく」とした。
なお、NTTはIOWN事業に関連して、ネットワーク領域でも既に情報通信研究機構(NICT)の「Beyond 5G研究開発促進事業(一般型)」や「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))」といった基金事業の実施企業に採択されている。今回の公募に採択されたことで、ネットワーク領域とコンピューティング領域の両方で研究開発プログラムに参画することとなる。
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