部品EOL向けリメイクサービスの中で、FPGAの置換に特化したものが「FPGA向けリターゲティングサービス」だ。顧客が現在のシステムで使用しているASICやFPGAなどを、新しいFPGAに置き換えて設計するサービスになる。
日立情報通信エンジニアリングによれば、近年、FPGAへの置換が増えているという。背景の一つは、部品の供給難やEOLなどによる入手困難性だ。上述したように産業機器は製品サイクルが長く、その間に、機器に搭載されている部品がEOLとなることも少なくない。
他にも、「原価削減のために、よりコスト効率が高い部品に変更したい」「機器に新しい機能を追加したいが、既存のFPGAでは性能が不足していて対応できないので、高性能のFPGAに変えたい」「より低消費電力のFPGAが登場したので、システム全体の電力効率を向上させるために置き換えたい」「FPGA自体も進化しているので、新しいFPGAに搭載されている機能を使ってみたい」など、さまざまな理由でFPGAに置き換えるニーズがあるという。
ただし、FPGAへの置換は容易ではない。特に、デバイスメーカーや製造プロセスが変わっている場合、同じ機能のIP(Intellectual Property)やマクロが存在しない、HDL(ハードウェア記述言語)を修正したら動作しなくなってしまう、といった課題に直面することも多い。
FPGA向けリターゲティングサービスは、こうした問題に応えるものだ。
「FPGAへの置き換え」「等価性の検証」という2つの基本メニューに、必要に応じてさまざまなオプションを追加できるようになっている。オプションには、新しい機能の追加(設計および検証)や、RTL(レジスタ転送レベル)/仕様書の妥当性の確認といった内容がある。
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