さらに、電界紡糸PLLAサブマイクロファイバー膜に担持された真電荷の保持特性について調査した。そして低湿度環境下で保管すれば、約8カ月が経過しても帯電電荷を安定して保持できることを確認した。これらのデータから、ウェアラブル圧力センサーの発電部材として応用しても、性能の経時劣化が抑えられることが分かった。
研究チームは、開発した電界紡糸PLLAサブマイクロファイバー膜を発電部材として用い、タッチセンサーと3層構造のマスク型音響センサーを作製した。無給電状態でタッチセンサーを指で押すと正の電圧を出力し、離すと負の電圧が出力されることを確認した。
一方、マスク型音響センサーを着用したまま声を出すと、無給電状態でも声に対応した電圧が出力されることを確認した。しかも、このセンサーを市販のタブレットに接続したところ、タブレットに搭載した音声認識ソフトを通じて、発話を文字化することにも成功した。
今回の研究成果は、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程の高垣賢一氏、同博士前期課程の金子満男氏、同大学繊維学系の石井佑弥准教授、産業技術総合研究所人間拡張研究センターの延島大樹主任研究員、同所センシングシステム研究センターの植村聖研究センター長および、国士舘大学理工学部電子情報学系の酒井平祐准教授らによるものである。
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