東北大学と三井不動産は2024年4月26日、「東北大学サイエンスパーク構想」に関する合同説明会を実施した。両者は、「共創の場」の構築とコミュニティーの形成を中心とした産学連携により、社会課題解決と新産業創造を目指す。
東北大学と三井不動産は2024年4月26日、東北大学が掲げる「東北大学サイエンスパーク構想(以下、サイエンスパーク構想)」が同月1日に本格稼働したことに伴う記者説明会を実施した。両者はパートナーシップを締結して、共創の場をつくっていく。
サイエンスパーク構想とは、東北大学が有する人材や設備、制度などを広く社会に提供することで、産学連携により最先端技術の社会実装を実現し、社会課題の解決と新産業創造を目指すものだ。
東北大学は現在、青葉山新キャンパス(仙台市)の敷地内に、サイエンスパーク構想の中核となる「サイエンスパーク」を整備している。総面積は約4万平方メートルで、都市計画や用地取得などを含めた総事業費は約2300億円に及ぶ。
2024年4月1日には、サイエンスパーク構想の本格稼働の第1弾として、新たな研究棟「国際放射光イノベーション・スマート研究棟」と「青葉山ユニバース」の2棟の運用を開始した。国際放射光イノベーション・スマート研究棟には、同じく青葉山新キャンパス内に位置する次世代放射光施設「Nano Terasu(ナノテラス)」に関係する研究場所やレンタルラボを設置。青葉山ユニバースには、東北大学が強みを持つ半導体や材料科学、グリーン/宇宙などの研究施設の他、スタートアップ企業や民間企業の研究施設を設置する。加えて、2027年までに3つ目の研究棟の設置を予定している。
東北大学 総長の冨永悌二氏は、サイエンスパーク構想の目的について「近年、諸外国では産学連携を通じた技術開発を加速させ、イノベーションを創出している。日本でもイノベーション創出に向けてさまざまな取り組みをしているが、産業側だけではイノベーション創出が難しい場合もあり、アカデミアに対する期待の高まりを感じる。東北大学は、サイエンスパーク構想を通じて、産学連携を通じたイノベーション創出に貢献する」と語った。
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