オーストラリアのReRAMメーカーである4DS Memoryが開発ロードマップを公開した。同社は、プラセオジムを用いる独自のプロセスを持つ。IoT(モノのインターネット)アプリケーションなどでReRAMの採用が加速するとみる専門家もいる中、ReRAMメーカー各社にとっては、いかにコストを削減していくかが、勝敗を分けるカギとなる。
オーストラリアに拠点を置く4DS Memory(以下、4DS)は、これまでの沈黙を破り、同社の抵抗変化メモリ(ReRAM)技術に関するロードマップを明らかにした。
同社によると、PCMO(Praseodymium、Calcium、Manganese、Oxygen)をベースとしたインタフェーススイッチング機能は、他のフィラメント型ReRAM技術と比べて大きなメリットを提供し、AI(人工知能)やビッグデータ、ニューラルネットワークアプリケーション向けに適した高帯域幅/高耐久性の永続メモリを実現するという。
4DSのCSO(最高戦略責任者)であるPeter Hime氏は、米EE Timesとのブリーフィングで、「4DSのReRAMは、永続ウィンドウ内でのリフレッシュが不要で、DRAMの動作ウィンドウ内でリフレッシュすることができる。このため、少ないエネルギーで高帯域幅/高耐久性を実現することが可能だ」と述べている。
Hime氏は、「4DSのReRAMは、PCMOを使用することで、他のReRAMメーカーとの差別化を図っている。セルの界面特性をベースとしたスイッチングメカニズムであるため、界面領域全体がスイッチングに関与しているのだ。他のReRAMメーカーは、フィラメントワイヤを使用することでメモリセルのデータ保持時間を伸ばしているが、これは耐久性の観点からは欠点となる」と述べる。
PCMO ReRAMでは、電場パルスによって酸素イオンがセルを出入りする。この酸素イオンが存在する場合にセルが導電することを「SET」と呼び、酸素イオンがなくなり電流が失われることを「RESET」と呼ぶ。
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