企業別シェアを見ると、ソニーはシェア45%で首位の座を維持した。Yoleの以前の発表によれば2022年のシェアは42%であり、ここから3ポイント増の成長を見せた形だ。一方、Samsung Electronics(以下、Samsung)は19%、OmniVisionは11%、onsemiは6%といずれも前年同様のシェアに。STMicroelectronics(以下、ST)は5%、SK hynixは4%、Galaxycoreは3%とそれぞれ前年から1ポイント減となった。
Yoleは、「ソニーはイメージセンサーブランド『LYTIA』およびFab 5(長崎テクノロジーセンターの生産棟)拡張で引き続き収益を伸ばしている一方、SamsungとSK hynixはCIS需要の落ち込みを受け、生産能力をメモリ事業、特にHBMに振り向けている」と説明。onsemiおよびSK hynixについては「成長は頭打ちとなった」とも述べている。STは、3Dセンシングだけでなく、民生用トラッキングや車載カメラなど収益源の多様化を目指し、グローバルシャッター製品ラインを拡大していると紹介。この他、「Galaxycoreが低価格帯のアプリケーションに依存しているため苦戦している一方、SmartSens Technology(以下、SmartSens)はセキュリティ市場の低迷から回復し、現在はモバイルおよび自動車分野向けの製品を開発している」などとそれぞれ分析している。
Yoleはまた、2024/2025年には中国スマホ市場がハイエンドモデルを中心に再び成長するとし、この中でHuaweiやHonorといった中国スマホメーカーが地政学リスクを避けるため、地元のCISメーカーに目を向けていると指摘。「ソニーやSamsungと競合するハイエンドCISを開発している」(Yole)というOmniVision、SmartSens、GalaxyCoreらに利益をもたらすことになると分析している。
一方、Yoleは、車載分野が着実に成長を続けるなかで、ソニーとSamsungがonsemiやOmniVisionとしのぎを削っていくことになるとも説明している。
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