中国の教育部(日本の文部科学省に相当)によると、分野に限らず中国の大学(4年制)を2023年に卒業した学生の数は1158万人に達する。ちなみに日本で2022年3月に大学を卒業した学生の数は59万139人なので、約20倍の開きがある。
集積回路とその関連分野に限ると、卒業者の数は約23万人だという。全卒業者に占める割合は1.98%とかなり少ない。割合は少ないが、23万人という数そのものは小さくない。日本の場合(2022年3月卒の大学生)、理学系卒業生が1万7786人、工学系卒業生が8万7923人なので、合計しても10万5709人にとどまる。この中でどのくらいの割合が集積回路関連を専攻した学生なのかを示す統計は残念ながら見つからなかった。言えるのは、半導体集積回路を専攻した学生の数は、中国と日本では大きな開きがあるということだろう。
なお、集積回路とその関連を専攻した卒業生が半導体集積回路業界に就職する割合は2023年に51.06%と業界別では当然ながら最も多い。次がITサービス業界で21.28%である。
講演では、中国の大学におけるマイクロエレクトロニクス教育の具体例も示していた。12の大学における指導教諭と研究テーマを一覧表でZhu教授が示した。一覧表のトップは同教授自身の研究チームで、研究テーマはパッケージングと信頼性となっていた。
その他にはウエハーレベルパッケージ(WLP)、システムインパッケージ(SiP)、はんだ接合、銅と銅の接合、高密度インターコネクト、MEMS、信号と電源のインテグリティ(SIPI)、高密度バンプ接続などの研究テーマが挙がっていた。
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