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ニデックの24年度Q1決算は過去最高、精密小型モータが好調2030年までの中期戦略目標も発表(3/3 ページ)

» 2024年07月24日 11時30分 公開
[半田翔希EE Times Japan]
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「5本柱」で、2030年までに売上高10兆円を目指す

 岸田氏は、中期戦略目標として「2030年度までに、自律成長による売上高7兆円と新規M&Aによる売上高3兆円を合わせた売上高10兆円を目指す」と発表。目標達成に向けた注力領域として「より良い生活の追求 Better Life」「サステナブル・インフラとエネルギーの追求」「AI社会を支える」「産業の生産効率化」「モビリティイノベーション」の5つを紹介した。

 「より良い生活の追求 Better Life」では、生活家電や商業設備(空調/エレベーター)など生活の質の向上や安心/安全/健康の追求に貢献する技術を提供する。「サステナブル・インフラとエネルギーの追求」では、発電機やエネルギー貯蔵システム(BESS)などの技術で世界のインフラ維持に貢献する。

 「AI社会を支える」では、データセンターや半導体検査/ウエハー搬送ロボットなど、今後さらなる増加が見込まれるAI関連分野での需要へ先回りで対応する。「産業の生産効率化」では、工作機械やプレス機、精密減速機などによって、モノづくりの省人化/無人化、高精度化をけん引する。「モビリティイノベーション」では、車載部品や電動バイクなど、環境に配慮した移動体の電動化/自動化の拡大に寄与する。

中長期目標。2030年度の売上高10兆を目指す中長期目標達成に向けた5つの注力領域 左=中長期目標。2030年度の売上高10兆を目指す/右=中長期目標達成に向けた5つの注力領域[クリックで拡大] 出所:ニデック

 岸田氏は、成長に向けた重点地域としてインドを挙げ、インド国内の15カ所目の拠点として、エアコンの需要拡大が見込まれるインドのスリシティーに、空調用モーター南部新工場を設置すると発表した。2024年8月中の建屋完成、同年第3四半期のサンプル出荷、第4四半期中の量産開始を目指している。また、既存の14拠点に関しても、北部と南部の2つの集合拠点に分けた上で、現地での営業/開発を強化する方針を示した。

 加えて、同社は2024年7月23日、ソフトウェア開発の強化に向けて、インドTata Elxsiと協力覚書(MOU)を締結したと発表した。今後のインドおよびその他市場向けのソフトウェア開発やニデック製品のローカライズ検討、ソフトウェア開発拠点の設立などを視野に入れたものだ。

インド市場に注力 インド市場に注力[クリックで拡大] 出所:ニデック
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