TSMCは、2024年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。売上高は6735億1000万ニュー台湾ドル(約3兆2000億円/205億米ドル)、純利益は2478億5000万ニュー台湾ドル(約1兆1800億円/754億米ドル)と、どちらも過去最高額を更新した。
TSMCは2024年7月18日、2024年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。売上高は6735億1000万ニュー台湾ドル(約3兆2000億円/205億米ドル)で、前年同期比40.1%増、前四半期比13.6%増。純利益は2478億5000万ニュー台湾ドル(約1兆1800億円/754億米ドル)で、前年同期比36.3%増、前四半期比9.9%増だった。売上高/純利益ともに過去最高額を更新。売上総利益率は53.2%、営業利益率は42.5%だった。
TSMCは増収の理由を「スマートフォン需要の季節性の低下があったものの、業界をリードする3nmおよび5nmプロセスに対する旺盛な需要に支えられた」と説明している。増益はコスト改善と為替の好影響によるものだという。
通期業績予想も上方修正した。従来、売上高は米ドルベースで前年比20%台前半から半ばの成長率になると予想していたが、20%台半ばの成長率との予想に引き上げた。AI(人工知能)やハイエンドスマホ向け需要の高まりを受けたものだ。
第2四半期の売上高をプロセスノード別に見ると、5nm世代が全体の35%と最大を占め、7nmが17%、3nmが15%で続いた。3nm世代の割合は前四半期の9%から6ポイント拡大した。
用途別では、HPC(高性能コンピューティング)が全体の52%を占め、スマホが32%で続いた。前四半期比では、HPCの売上高が28%増加し、スマホが1%減少した。
2024年の設備投資額は300億〜320億米ドル程度を見込み、そのうち70〜80%は先端プロセス技術に充てる。TSMCの会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるC.C. Wei氏は、現在開発を進めている2nmプロセス世代プロセスの「N2」技術について、「開発は順調に進んでいて、性能も歩留まりも計画を上回っている。TSMCの技術的リーダーシップをさらに拡大する技術だと確信している」と説明した。
2024年11月の米大統領選に向け共和党の候補に指名されているドナルド・トランプ前大統領が「台湾は米国の半導体ビジネスを全て奪った」と発言したことから、今後の規制強化などTSMCの事業への影響を警戒する向きもある。Wei氏はこれに対して「海外の生産能力増強という方針に変更はない。アリゾナと熊本、そしていずれは欧州でも拠点を拡大する」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.