ラピュタロボティクスは、ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」も展示した。
ラピュタPA-AMRは、歩行や商品の探索を効率化することで生産性を改善するソリューションだ。ピッキングスタッフは、ピッキングすべき商品の位置を手元のタブレットで確認し、指定の場所に向かう。指定の場所に行くとラピュタPA-AMRが待機しているため、目的の商品を棚から取り出してラピュタPA-AMRに読み込ませ、ラピュタPA-AMRに設置したコンテナに移し替える。すると、ラピュタPA-AMRが自動で所定位置まで商品を搬送するという仕組みだ。
ピッキングスタッフは、1日の50〜60%を歩く時間や商品を探す時間に使っている。ラピュタPA-AMRを活用することで、タブレットで指示された場所に行って、商品をラピュタPA-AMRに設置したコンテナに移すだけでいいため、作業効率を大幅に向上させられる。特に、300坪以上のピッキングスペース、ピッキングスタッフ10人以上の中規模以上の倉庫と相性が良く、ピッキングスタッフ1人に対して2〜3台導入することを推奨している。同社が行った実証実験では、マニュアルピッキングで約14分/625歩必要だった作業を、ラピュタPA-AMRを使用すると約7分/175歩まで削減できたという。
ラピュタPA-AMRは、導入前に倉庫のCADデータを学習させ、運用開始後はLiDARで自己位置を検知するため、反射板や磁気テープなどの設置が不要だ。また、誤ピッキングを防止する「Put to Light(誤ピッキング防止アシスト)機能」を搭載しているため、万が一、誤った商品をラピュタPA-AMRに読み込ませた場合、LEDが点灯してピッキングスタッフに知らせることができる。
取り扱い可能重量は45kg、搬送可能な商品サイズは490×330×300mm、連続稼働時間は8時間(2時間充電)だ。充電が不足すると自動で充電ステーションに戻る仕組みになっている。ただし、充電ケーブルの差し込みは人間が手作業で対応する必要がある。担当者は「技術的には自動で充電することも可能だ。実際、米国などの超大型倉庫では、自動充電に対応できるようにカスタマイズしている。しかし、日本ではコスト面の要求が大きいため、自動充電機能は付けていない」と説明した。
ビジネスモデルとしては、買い切りタイプとサブスクリプションを用意していて、繁忙期/閑散期に合わせた期間限定の台数調整にも応じる。既に、国内50拠点、500台以上採用されている。担当者によると、「デロイト トーマツ ミック研究所の調査では、2021年度のピッキングアシストロボット市場(国内)において売上高のシェア49%で国内1位だった。現在は、67%まで成長している」と述べた。また、「ラピュタPA-AMRを一度導入した企業が完全に解約したケースは、知る限り無い」(同社)という。
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