ラピュタロボティクスは、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、工場内物流の効率化/省人化に貢献する自動倉庫や自動フォークリフト、ピッキングアシストロボットを展示した。
ラピュタロボティクスは、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24〜26日、東京ビッグサイト)に出展し、ネジやボルトを使わず、柱や床などをブロックのように組み上げるだけで構築できる自動倉庫「ラピュタASRS」を展示した。専用の足場設置も不要なため、既存倉庫でも稼働を止めずに導入することができる。
ラピュタASRSは、柱や床をブロックのように組み合わせるだけで構築できるモジュラーデザインの自動倉庫だ。ブロック工法で組み立てるため、任意の規模や形状で導入できる。組み上げた倉庫の各スペースには、3段階(110/290/470mm)で高さ調節が可能なビン(商品を保管する箱)を設置する。ビンの最大容積は124リットル、取り扱い可能重量は30kgで、ビンの内部をパーテーションで分割することができる。各所に設置したビンは、薄型(80mm)の自動搬送ロボットでピッキングステーションまで搬送する。
自動搬送ロボットの搬送可能重量は約30kgで、ビンの下に潜り込み、下から持ち上げる形で倉庫内を搬送する。メカナムホイールを採用することで、旋回せずに任意の方向に移動できるため、狭いスペースでも効率良く正確な搬送を実現する。上下の移動に関しては、任意の場所に設置できる100V単相のエレベーターを活用する。担当者によると、「独自のマルチロボット協調アルゴリズムにより、300台以上のロボットとエレベーターを協調制御できる」という。
また、自動搬送ロボットは、充電が少なくなると、自動で充電ステーションに移動する。充電ステーションでは、ロボットアームが自動搬送ロボットのバッテリーを1分以内に自動で交換するため、自動搬送ロボットの稼働ロスを最小限に抑えることができる。なお、自動搬送ロボットは、1回の充電で2〜3時間稼働する。
ピッキングステーションは、コの字型に設置することで、最大8個のビンを同時にカバーできる。これにより、ピックの待ち時間を減らし、作業を効率化できる。一般的なマニュアルピッキングと比較した場合、生産性を10倍、保管効率を2.5倍に向上させられる。万が一、作業者が間違ったものを入れようとした場合、モーションキャプチャーで検知し、手元のライトが点滅するなどのアラートを出す。
担当者は、ラピュタASRSを活用する利点について「『LEGO』のように簡単に組み立てられるため、既存倉庫でも稼働を止めずに導入できることだ。人がやる仕事は、ピッキングステーションに運ばれてきた製品のピッキング作業のみだ」と語った。なお、免震性については、アンカーレス設計による揺れや振動を逃がす構造を採用し、地面設置部には免震材を使用している。また、3次元振動台による地震波加振試験を実施している。
2024年7月下旬には、ECサイトでプラモデルやフィギュアの販売を行う企業の既存倉庫に導入されていて、同年秋には文具などを取り扱う日本出版の倉庫で導入が決まっているという。
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