ハイブリッドボンディングを高い歩留まりで量産化するには、接合層内部のクラックやボイドなどの欠陥を迅速に特定できる最先端の計測ツールが必要だ。米国の産業用超音波非破壊検査(NDT)システムメーカーであるPVA TePla OKOSは、超音波顕微鏡(SAM)をベースとしたソリューションを手掛けている。
ハイブリッドボンディングは、半導体パッケージングにおける重要な技術的進歩だ。機能やプロセスノード、サイズが異なる複数のチップレットを統合パッケージに融合するヘテロジニアスインテグレーション分野において、不可欠な存在になりつつある。ハイブリッドボンディングでは、ダイツーウエハー(D2W)、またはウエハーツーウエハー(W2W)で銅パッドで垂直接合し、誘電パッドとメタルボンドパッドを1回のボンディング手順で同時に接合することができる。
しかし、既存のバンプベースのインターコネクトよりも高い信頼性と機械的強度を実現できても、課題はある。例えば、高い歩留まりで量産に移行するには、接合層内部のクラックやボイドなどの欠陥を迅速に特定できる最先端の計測ツールが必要だ。
米国バージニア州に拠点を置く産業用超音波非破壊検査(NDT)システムメーカーであるPVA TePla OKOSは、超音波顕微鏡(SAM)をベースとしたソリューションを開発したという。同社の社長であるHari Polu氏は、「SAMは、非侵襲/非破壊の超音波検査手法であり、積層ダイ/ウエハーなどの検査や故障解析向け技術として好まれるようになっている」と述べる。
SAMは超音波を利用し、不透明基板の内部構造やインタフェース、表面などを非破壊的に検査する。その結果として得られる音響的シグネチャで3D画像を作成し、それを解析して、ボンディングインタフェースのクラックやデラミネーション(層間はく離)、インクルージョン、ボイドなどのさまざまなデバイス欠陥を検出/特定することができる。またこの3D画像を使用し、はんだ付けやその他のインタフェース接続を評価することもできる。
Polu氏は、「SAMは、ボイドやクラック、デラミネーションなどの欠陥を特定する半導体部品検査の業界標準となっていて、ハイブリッドボンディングパッケージを100%検査できるよう構成されている」と述べる。
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