今回、Friedrichs氏にはSiC市場の現状や競合の状況に関する認識なども聞いた。
Friedrichs氏は、SiC市場について「2024年、2025年も2桁の成長率を維持するだろう」との見立てを示し、需要に応じるべく、今後も生産能力拡大を継続していくとした。この成長は産業、自動車の両分野で継続してていくといい「成長は以前ほど急激ではなくなったが、当社のパイプラインは、今後数年間は安定的に埋まっていくだろう。これは非常にポジティブな傾向だ」と語った。
また、単一市場として最大の自動車分野では、近年、中国のSiCメーカー成長が目立つが、同氏は「もちろん、当社もその点には注目している。既にSiCウエハーは中国で高品質かつ低コストで製造されている。チップ技術についてはそれほどではなく、現時点では中国から競争力のあるSiC MOSFETは出てきてはいないが、それでも中国内で製造され販売されていることは認識している」と説明。性能面では現状では脅威にはなっていないとしつつも、「中国はあらゆるものが急速に進化していることは周知の事実だ。そのため注意深く見守り、さらにチップレベルを超え革新的なソリューションで差別化を図り続ける必要がある」と述べた。
同士は、こうした差別化技術の例として.XTなどを挙げた他、「システムレベルでは、例えばチップに実装することなく、外部から過負荷モードに対処する方法など、他のアイデアもある。こうしたシステムレベルの取り組みは、今後長い間、当社の強みとして活用できると考えている」と強調していた。
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