Samsungが「業界初」24GビットGDDR7 DRAMを開発、次世代AI向け : 最大42.5Gbpsの高速転送も
Samsung Electronicsが「業界初」(同社)となる24GビットのGDDR7 DRAMを開発した。2024年中に主要GPU顧客の次世代AIコンピューティングシステムでの検証が開始され、2025年初めには生産開始する予定だという。
Samsung Electronicsは2024年10月17日(韓国時間)、「業界初」(同社)となる24GビットのGDDR7 DRAMを開発したと発表した。2024年中に主要GPU顧客の次世代AI(人工知能)コンピューティングシステムでの検証が開始され、2025年初めには生産開始する予定だという。
Samsung Electronicsが開発した24GビットGDDR7 DRAM[クリックで拡大] 出所:Samsung Electronics
同社が開発した24GビットGDDR7 DRAMは、第5世代10nmクラスプロセスを採用したもので、「従来品と同じパッケージサイズを維持しながら、セル密度を50%向上させた」という。また、信号方式にはPAM3を採用していて、グラフィックスDRAMとして「業界最速」(同社)の40Gビット/秒(bps)の高速転送を実現。使用環境によっては最大42.5Gbpsも可能としている。
また、クロック制御管理やデュアルVDD設計など、従来モバイル製品で採用していた技術をグラフィックスDRAMに初めて適用していて、不要な消費電力を大幅に削減し電力効率を30%以上高めた。また、高速動作時の動作安定性を高めるため、パワーゲーティング設計技術を用い、リーク電流を最小限に抑えているという。
Intelの資金難、Samsungの生産遅れ…… CHIPS法に危機
IntelやSamsung Electronicsなど、米国のCHIPS法が支援する大手半導体メーカーの生産に遅れが出ている。これは、米国政府の景気刺激策が期待通りの成果を上げられない可能性を示している。
苦悩するSamsung ファウンドリーやメモリで厳しい立ち位置に
Samsung Electronicsは、米国テキサス州テイラーの新工場の立ち上げを遅らせるという。同社は、ファウンドリー事業ではTSMCに、メモリ事業ではSK hynixに後れを取っている。業界関係者の分析によれば、Samsungの意思決定の重点は、日和見主義から慎重姿勢へと変わっているという。
AIやHPC、自動運転によって用途が広がるGDDR
GDDRの「G」は「グラフィックス」の頭文字だが、今日、この高性能メモリのユースケースは“演算性能”に集中している。最近GDDR7 DRAMを発表したSamsung Electronicsは、高性能コンピューティングや人工知能、車載アプリケーションなどの分野でGDDRの採用が進むと予想している。
GDDR7 DRAMはAI用途でHBMの「代替品」として飛躍する可能性も
JEDEC Solid State Technology Associationは2024年3月に、次世代グラフィックス製品向けのメモリ規格「GDDR7」の仕様策定を完了したと発表した。生成AI(人工知能)の急速な普及に伴い、HBM(広帯域幅メモリ)の需要が大幅に増加する中、GDDR7がHBMの“代用品”になる可能性があると関係者は語る。
SK Hynixは新工場に146億ドルを投資へ HBM市場のゆくえは
AI(人工知能)半導体の性能を加速させるHBM(広帯域幅メモリ)で業界をリードするSK hynixは、韓国の新工場「M15X」に20兆ウォン(約146億米ドル)以上を投じる予定だという。本稿では、HBM市場の現況とメモリメーカー各社の動向について述べる。
1.2TB/s、24GBのHBM3 Gen2 LLMの学習を高速化
Micron Technologyは2023年7月、生成AI(人工知能)などの用途に向けて、1.2Tバイト/秒のメモリ帯域幅と、24Gバイトの容量を実現したHBM3 DRAM「HBM3 Gen2」のサンプリング出荷を開始したと発表した。
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