NECは「CEATEC 2024」に出展し、映像認識と生成AI(人工知能)を組み合わせた業務効率化ソリューションを紹介した。長時間の映像データから短い動画や説明文を自動生成する。
NECは「CEATEC 2024」(2024年10月15〜18日、幕張メッセ)に出展し、映像認識と生成AI(人工知能)を組み合わせた業務効率化ソリューションを紹介した。同ソリューションは「CEATEC AWARD 2024」の25周年特別賞を受賞した。
同ソリューションは、長時間の映像データに映った人物や車、建物や空などさまざまな物体/環境とそれらの変化を認識/理解し、さらにNECが開発した大規模言語モデル(LLM)を用いて、利用目的に応じた短い動画や説明文を自動生成するというもの。長尺の動画からのシーン抽出や説明文の生成が行える技術は「世界で初めて」(NEC)だという。膨大な映像データの利活用を可能にし、業務効率化に貢献する。
応用事例としては、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像から交通事故の報告書を作成することなどが考えられる。ブースで行っていたデモでは、事故の映像を4本入力し、「事故の原因を教えてください」と指示すると、状況を報告する文章が出力された。過失割合の判定にも利用できる。
生成AIの利用においては誤情報の生成が問題となっているが、このソリューションでは事故内容の説明だけでなくその判断のプロセスや根拠も示すことで、確認しやすいようにしている。
事故原因や過失割合の最終確認業務は人間が行う必要があるものの、報告書作成業務の作業時間を従来比で半減できるという。
エンターテインメントや報道の領域でも活用が見込める。NECは、ボクシングの試合映像から1ラウンドごとのハイライトシーンと試合内容の説明テキストを生成し、SNSで速報として配信する実証実験を行ったという。
NECの説明員は「映像を分析してその内容を文章化する業務は、人間がやると時間がかかりすぎる。実証実験では試合内容をタイムリーに発信でき、視聴者からも評価された」と話した。
CEATEC AWARDでは「自動車による事故の発生が低減するのではないかという期待」「他のさまざまな領域に応用できるのではないかとの期待」(選評より)が寄せられ、受賞に至ったという。
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