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GPUボードの電力損失5分の1に、村田の受動部品内蔵基板「垂直電源供給設計」を実現

村田製作所は「CEATEC 2024」に出展し、コンデンサー/インダクター内蔵基板「iPaS」を紹介した。GPUへの垂直電源供給を可能にし、電力損失削減に貢献するという。

» 2024年10月29日 13時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 村田製作所は「CEATEC 2024」に出展し、コンデンサー/インダクター内蔵基板「iPaS」を紹介した。GPUへの垂直電源供給を可能にし、電力損失を大幅に削減できるという。同製品は「CEATEC AWARD 2024」でイノベーション部門賞を受賞した。

コンデンサータイプの「iPaS」 コンデンサータイプの「iPaS」[クリックで拡大]
インダクタータイプの「iPaS」 インダクタータイプの「iPaS」[クリックで拡大]

GPUボードの電力損失を5分の1に

 近年、AI(人工知能)の需要が急拡大し、データセンターの建設が進む中で、GPUボードの消費電力量増大が新たな課題となっている。現在のGPUボードは、GPUの裏にコンデンサーを実装し、電源モジュールをGPUの横に配置するものが多いが、電源モジュールからGPUまで一定の配線距離があるため電力損失や発熱が避けられない。

 iPaSを用いれば、GPUの裏が空いて電源モジュールを配置できるようになり、電源モジュールからGPUまで最短距離で電力を供給する「垂直電源供給設計」が実現する。「垂直電源供給が実現すれば、電力損失は5分の1に削減できる見込みだ」(ブース説明員)という。

従来のGPUボードの構造 従来のGPUボードの構造[クリックで拡大] 出所:村田製作所
iPaSを用いた場合のGPUボードの構造 iPaSを用いた場合のGPUボードの構造[クリックで拡大] 出所:村田製作所

 CEATEC AWARDの選評によると、「AIやIoT(モノのインターネット)活用の進展に伴うデータのトラフィック量急増に対応する半導体パッケージの高性能化と省エネルギー化」への将来性が評価されたという。

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