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半導体露光装置から宇宙へ――京セラのセラミック材料、新市場で展開拡大宇宙関連で売り上げ6倍目指す(3/3 ページ)

» 2024年12月27日 09時50分 公開
[永山準EE Times Japan]
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「世界初」宇宙ステーションの小型光通信実験装置に載った

 前述の通り、既存の低熱膨張ガラスを上回るさまざまな特長を有するというコージライトだが、宇宙産業では、新たな材料の採用において宇宙での実績を重視する傾向があり、採用はなかなか進まなかったという。

 京セラは、各メーカーへの売り込みや展示会やカンファレンスにおける地道なPR活動を継続。そうした中で2024年6月、京セラは国際宇宙ステーション(ISS)に設置された小型光通信実験装置に、コージライト製のミラーとして「世界で初めて」(同社)採用されたことを発表した。ここではISSから地上への光通信の際、光を最適な角度に調節するためのミラーとして同社のコージライトが採用され、実際に低軌道上のISSから地上の可搬型光地上局への光通信を実現。神浦氏は、「この宇宙実績は一つの大きなターニングポイントだ」し、今後の採用拡大への期待を示していた。

京セラのファインコージライトミラーが搭載された光通信アンテナ(QSOL)を含む低軌道高秘匿光通信装置(SeCRETS)。[クリックで拡大]出所:京セラ(画像提供:国立研究開発法人情報通信研究機構、ソニーコンピュータサイエンス研究所、次世代宇宙システム技術研究組合) 京セラのファインコージライトミラーが搭載された光通信アンテナ(QSOL)を含む低軌道高秘匿光通信装置(SeCRETS)。[クリックで拡大]出所:京セラ(画像提供:国立研究開発法人情報通信研究機構、ソニーコンピュータサイエンス研究所、次世代宇宙システム技術研究組合)

 宇宙産業は、2040年には100兆円規模に拡大するといった予測(モルガン・スタンレーによる)もあるなど活況だ。国際的な競争も加速していて、日本でも今後10年間で政府が総額1兆円規模の支援を行う方針の「宇宙戦略基金」が立ち上がった。京セラはこの成長市場での存在感を高め、宇宙関連の事業規模を2029年度に現在の5億円程度から、6倍となる30億円に拡大することを目指している。

京セラのファインコージライトミラー[クリックで拡大]出所:京セラ 京セラのファインコージライトミラー[クリックで拡大]出所:京セラ
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