LPWAネットワークのSigfoxを提供するUnaBizは2025年1月、トラッキング用途で低コストかつ大規模なIoTソリューション開発を目指す取り組み「Sub0Gプログラム」を発表した。トラッキングデバイスを通い箱や使い捨ての梱包に取り付け、Sigfoxを用いて追跡することを想定する。
LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークのSigfoxを提供するUnaBizは2025年1月、トラッキング用途で低コストかつ大規模なIoTソリューション開発を目指す取り組み「Sub0Gプログラム」を発表した。
ターゲットは物流分野だ。トラッキングデバイスを5〜80米ドル程度の通い箱や0.5〜5米ドル程度の使い捨ての梱包に取り付け、Sigfoxを用いて追跡するといったソリューションを想定する。
既存のトラッキングソリューションは、高価なトラッキングデバイスを用いて、かご台車やコンテナ単位で利用されるものが多かった。一方、安価に使えるRFIDは通信範囲が狭く、読み込みのための装置が必要になる。Sub0Gプログラムはこれらの間を補完し、低コストかつ大規模な展開を目指すという。
Sigfoxは低消費電力の通信方式なので、トラッカーに搭載する電池容量を小さくし、コストや環境負荷を削減できる。AIベースの位置情報取得機能を備えていることも特徴だ。
UnaBizが発表したトラッキングデバイスのプロトタイプは、基板型/紙包装/シール状の3種類。亜鉛(Zn)ベースの電池を用いていてリサイクル可能だ。仮に包装を電池ごと燃やしてしまっても、リチウムイオンバッテリーと違い発火のリスクがないという。
活用ケースとして、物流倉庫のほか、時計などの高級宝飾品の配送やダイレクトメールが考えられるという。トラッキングデバイスに照度センサーを搭載すれば開封検知も可能だ。既存のトラッキングソリューションを用いてきた用途でも低コスト化に貢献する。
ハードウェアはオープンソース化することで、多くの企業に参画を促す。UnaBiz 最高技術責任者(CTO)のAlexis Susset氏は「多くの企業からフィードバックをもらい改善を進めたい」と語る。
プログラム立ち上げにあたって、既にチップメーカーのNXP SemiconductorsとHoltek Semiconductor、電池メーカーのZinergy、RFIDアンテナなどを手掛けるLinxensの4社がパートナーとして参画している。
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