2026年5月8日、ソニーセミコンダクタソリューションズとTSMCは、次世代イメージセンサーの開発/製造に関する戦略的提携に向けた基本合意書(MOU)を締結し、合弁会社(JV)設立を検討すると発表した。同日開催されたソニーグループの業績説明会では、同社社長 最高経営責任者(CEO)の十時裕樹氏が、その狙いや期待について語った。
2026年5月8日、ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、ソニー)とTSMCは、次世代イメージセンサーの開発/製造に関する戦略的提携に向けた基本合意書(MOU)を締結し、合弁会社(JV)設立を検討すると発表した。同日開催されたソニーグループ(以下、ソニーG)の業績説明会では、ソニーG社長 最高経営責任者(CEO)の十時裕樹氏が、その狙いや期待について語った。
今回の提携では、ソニーが過半数の株式を保有し支配株主となるJV設立を検討するとともに、熊本県合志市に新設したソニー工場への開発/生産ライン構築に向けた検討を進める。ソニーが持つイメージセンサー設計の知見と、TSMCの先端プロセス技術および高度な製造能力を組み合わせることで、次世代イメージセンサーの競争力強化を図る。
説明会では、今回のJVがソニーの「ファブライト化」戦略の第一歩であると示された。十時氏は「設備投資負担を抑えながら収益性を上げていくには、いろいろな工夫が必要だと繰り返し述べてきた。2025年度にはファブライト戦略を追求する意向を示したが、今回のTSMCとのJVはそのファーストステップだ」と説明した。
十時氏は「これまで当社は垂直統合型メーカー(IDM)的に、イメージセンサーの研究開発から製造までを一貫して行ってきた」と説明したうえで、「将来的には製造を当社だけでなく、パートナーとともに進める可能性も深耕していきたい」と述べ、製造体制の変革を進める考えを示した。
ソニーはイメージセンサー製造において画素側は自社のみで製造し、ロジック側をTSMCに委託している。今回、大きな差別化要素である画素側について自社以外が製造に関与することへの懸念を問われると「画素部分は、開発力といわゆるプロセス技術に分かれる。世界最高水準の半導体プロセス技術を持つ会社と組むことは、当社にとって大きな進化になる」と強調した。
さらに、JVによって供給能力の拡張性が高まる点にも期待を示した。十時氏は「これまでイメージセンサーの供給は当社ファブの供給能力に限定されていたが、今後はモバイル向けに加え、フィジカルAIによってセンサー需要が大きく拡大する可能性がある。将来需要への備えという意味でも、このJVには大きな意味がある」と述べた。
その上で、JVは財務的なプラスのインパクトもありつつ「当社がTSMCとともにセンサーで世界一というポジションをさらに強固にするための取り組みだ」と語った。
また、地政学や経済安全保障の観点について問われると、十時氏は「TSMCとしても、日本で事業を拡大していくことに魅力を感じているのではないか」と指摘。その延長線上に今回のJV構想があるとの認識を示した。
さらに十時氏は「TSMCは本来、JVを好まず、自社でコントロールしながら進めるスタイルの会社だと理解している」とした上で、「今回のJVはTSMCにとっても大きなチャレンジになると思うが、当社としてはこの機会をぜひ成果に結び付けたい」と述べた。
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