ロームの2024年度第3四半期累計(2024年4〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.0%減の3446億4200万円、営業利益が110億8000万円の赤字、純利益が同99.5%減の2億1000万円となった。
ロームは2024年2月3日、2024年度第3四半期累計(2024年4〜12月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比3.0%減の3446億4200万円、営業利益は110億8000万円の赤字、純利益は同99.5%減の2億1000万円となった。
産業機器市場において前年からの在庫調整が長期化、回復の兆候が見られない状況といい、売上高は同市場での大幅な減収が大きく影響する形となった。また、自動車市場も足元の生産台数の伸び悩みを受け調整局面を迎えている。注力するSiC(炭化ケイ素)パワーデバイスも、自動車向けで増加は見られるものの電気自動車(EV)を中心とした需要低迷の影響から、成長は想定を下回ったという。営業利益は、売り上げ減の影響および生産調整に伴う稼働率の抑制、SiCパワーデバイスの生産能力増強や8インチ化対応のための固定費増によって赤字となった。
業績をセグメント別でみると、LSIセグメントの売上高は前年同期比1.7%減の1558億8800万円、セグメント利益は同77.7%減の39億8600万円だった。自動車市場向けは電動車(xEV)向け製品が調整局面となったが、先進運転支援システム(ADAS)やボディー向けの高付加価値商品が伸長した。民生機器市場向けも省エネ性能エアコン向けモータードライバーが引き続き好調に推移。コンピュータ&ストレージ市場向けはサーバ市場を中心にSSDおよびPC関連向けのモータードライバーICや電源IC、その他FANモータードライバーICなどの売り上げが回復傾向にあるという。一方、産業機器および通信機器市場向けは、前期に引き続き厳しい状況となった。
半導体素子セグメントの売上高は前年同期比5.0%減の1441億2800万円、セグメント利益は204億9300万円の赤字となった(前年同期は145億4600万円の黒字)。パワーデバイスは、自動車市場向けはSiCデバイスでの売り上げ増加は見られるものの、足元ではEVを中心に需要が低迷していて、成長は想定を下回った。産業機器市場向けの売り上げは、エネルギー市場の鈍化や設備投資抑制の影響を受けて減少。汎用デバイスは、自動車市場向けの売り上げが全般的に低調だったことに加え、産業機器市場のファクトリーオートメーション(FA)向け売り上げが大きく落ち込んだ。また、発光ダイオードは、産業機器市場向けを中心に売り上げが低迷したが、半導体レーザーは、コンピュータ&ストレージ市場および産業機器市場向けで売り上げを伸ばした。
この他、モジュールセグメントは売上高が前年同期比0.3%増の256億6400万円、セグメント利益は同29.4%増の27億1000万円。その他セグメントは売上高が同2.2%減の189億600万円(前年同期比2.2%減)、セグメント利益は同12.5%増の18億9000万円となった。
2024年度第3四半期(2024年10〜12月)業績は、売上高は前年同期比2.8%減の1126億円、営業利益は101億円の赤字(前年同期は108億円の黒字)、純利益は18億円の赤字(前年同期は77億円の黒字)となった。計画比でみると売上高は為替が想定より円安に進んだことで、約4%上振れとなった。
一方、利益に関しては、売上高の上振れに加え、固定費削減策の効果がプラスに働いたものの、第3四半期も継続して稼働を抑制し製品在庫の圧縮を進めた結果、想定よりも下振れの結果となったという。ロームは「第2四半期時点の在庫水準を維持していく方針だったが、先行きの需要見通しが想定よりも厳しく、さらなる在庫圧縮が必要と判断した」と説明している。
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