今回の新製品では直流電流に対してインピーダンスの低下が少ない構造設計および材料選定などによって、大電流への対応を、その他特長と両立しつつ実現したとしている。説明担当者は「今回、特に材料選定にかなり気を配った」と強調。具体的な内容は非開示だが「フェライトコア材料について、大電流を印加した場合にもインピーダンスを確保できるよう粉の配合比を変更した」と説明していた。
下図内の表は競合の類似品と比較した場合(105℃環境下で800mAを通電)だが、説明担当者は「競合品と比較し高いインピーダンスを維持できている。PoCフィルターとしてかなり高機能な機能を示している」と強調していた。なお、同社が得意とする独自の巻き線設計によって、電流印加時の製品の自己発熱も抑え、低い直流抵抗を実現できているという。
こうした特性から、赤外線カメラや4K対応ディスプレイなど、大電流が要求されるアプリケーションへの対応が可能となっている。
広い周波数帯域での高いインピーダンス特性では、例えば105℃環境下で1000mAを通電する場合、TDKの従来品であれば3個のインダクターを使用していたが、今回の製品であれば1個で従来品2個分をカバー可能となり、使用個数を削減。基板上の実装面積を約60%削減できるという(下図)
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