PFC+フライバック制御レファレンスで電源を小型に、ローム:LogiCoA電源ソリューションの第2弾
ロームは、「LogiCoA」電源ソリューションの第2弾として、PFC(力率改善)とフライバックという2種類のコンバーターを1個のマイコンで制御できる電源のレファレンスデザイン「REF67004」を開発した。
ロームは2025年6月、「LogiCoA」電源ソリューションの第2弾として、PFC(力率改善)とフライバックという2種類のコンバーターを1個のマイコンで制御できる電源のレファレンスデザイン「REF67004」を開発したと発表した。
ロームはLogiCoA電源ソリューションとして、シリコンMOSFETなどのパワーデバイスやゲートドライバーICで構成される「アナログ制御パワーステージ回路」と、LogiCoAマイコンを中心とした「デジタル制御電源回路」を組み合わせることで、さまざまな電源トポロジーを容易に制御できる環境を提供している。
REF67004は、AC入力を電流臨界モードPFCコンバーターで昇圧した後に、疑似共振フライバックコンバーターでDC 24Vを出力するレファレンスデザイン。キャリブレーション機能によって外付け部品の特性ばらつきを補正し、LogiCoAマイコンが高い精度で各種電圧設定や過電流保護を行う。これにより、電源設計のマージンを小さくでき、小型のパワーデバイスやインダクターを用いることが可能となる。
また、REF67004はログ保存機能によって、入力電圧や出力電圧・電流、温度といった動作履歴、停止直前の動作状態などを保存できる。これらのデータを解析すれば故障原因の特定などが容易に行える。なお、ロームの公式ウェブサイト上に公開されている電源制御用OS「RMOS」を含むサンプルプログラムを用いれば、PCを活用して電源の制御パラメーターを設定したり、動作履歴のデータを取得したりすることができる。
なお、レファレンスデザインボード「LogiCoA003-EVK-001」(サンプル価格は税別で10万円)を用いれば実機で評価できる。
LogiCoA電源ソリューションのレファレンスデザイン。左が今回発表した製品、右は第1弾製品[クリックで拡大] 出所:ローム
ローム、SiC MOSFET用の新SPICEモデルを公開
ロームは、パワー半導体のシミュレーション時間を従来に比べ半減できる新SPICEモデル「ROHMレベル3(L3)」を開発した。L3の第4世代SiC MOSFETモデル(37機種)は既にウェブサイト上で公開しており、製品ページ画面などからダウンロードできる。
AIサーバ向け100V耐圧パワーMOSFET、ロームが発売
ロームは、48V系電源のAIサーバ向けホットスワップ回路やバッテリー保護が必要な産業機器電源などの用途に向けた100V耐圧パワーMOSFET「RY7P250BM」を開発、販売を始めた。新製品は高いSOA(Safe Operating Area)耐量と低オン抵抗を両立させた。
ローム初の高耐圧GaNデバイス向け絶縁ゲートドライバーIC
ロームは、同社初となる高耐圧GaN HEMT向け絶縁ゲートドライバーIC「BM6GD11BFJ-LB」を開発した。GaNデバイス製品と組み合わせることで、高周波・高速スイッチング駆動を実現し、モーターやサーバ電源などを小型化・高効率化できる。
実装面積を半減、ロームの車載充電器向け新SiCモジュール
ロームが、電動車(xEV)用オンボードチャージャー(OBC)向けに新たなSiC(炭化ケイ素)モジュールを開発した。高放熱パッケージおよび低オン抵抗の第4世代SiC MOSFETによって一般品DIPモジュール比で1.4倍以上と「業界トップクラス」(同社)の電力密度を実現し、実装面積の大幅な削減を可能とした。
同等サイズのGaN HEMTよりも低いオン抵抗を実現したMOSFET
ロームは、パッケージの外形寸法が2.0×2.0mmと小さく、オン抵抗が2.0mΩ(代表値)のN型30V耐圧コモンソース構成のMOSFET「AW2K21」を開発、量産を始めた。スマートフォンの急速充電回路などに提案していく。
ロームがマツダと車載GaNパワー半導体搭載品を共同開発
ロームとマツダが、GaNパワー半導体を用いた自動車部品の共同開発を開始した。2025年度中にコンセプトの具現化とデモ機によるトライアルを実施し、2027年度の実用化を目指す。
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