トヨタの中国向け新型BEV、ローム製SiC MOSFETを搭載:航続距離伸長や高性能化に貢献
ロームは、トヨタ自動車などが開発した中国市場向け新型クロスオーバーBEV「bZ5」に、第4世代SiC MOSFETを搭載したパワーモジュールが採用されたと発表した。
ロームは2025年6月、トヨタ自動車などが開発した中国市場向け新型クロスオーバーBEV「bZ5」に、第4世代SiC MOSFETを搭載したパワーモジュールが採用されたと発表した。
bZ5は、トヨタ自動車とBYD TOYOTA EV TECHNOLOGYカンパニー(BTET)、一汽トヨタ自動車などが共同開発したクロスオーバーBEVで、Z世代と呼ばれる若い世代のユーザーに向けて開発した。2025年6月より一汽トヨタ自動車が発売している。
bZ5のトラクションインバーターに採用されたパワーモジュールは、ロームと中国の正海集団による合弁会社「上海海姆希科半導体(HAIMOSIC(SHANGHAI))」が量産し、供給を行っている。同パワーモジュールを搭載した効果もあり、bZ5の航続距離は下位グレードで550km、上位グレードでは630km(CLTCモード)を達成している。
bZ5の外観[クリックで拡大] 出所:ローム
ロームは、SiCパワーデバイスの開発に注力している。2025年には第5世代となるSiC MOSFETの生産ラインを構築するとともに、第6世代およびそれ以降の製品についても市場投入を前倒しする計画。また、モジュールでの提供に加え、ベアチップやディスクリートなど、さまざまな形態でSiCパワーデバイスを供給できる体制を強化していく予定である。
PFC+フライバック制御レファレンスで電源を小型に、ローム
ロームは、「LogiCoA」電源ソリューションの第2弾として、PFC(力率改善)とフライバックという2種類のコンバーターを1個のマイコンで制御できる電源のレファレンスデザイン「REF67004」を開発した。
ロームとNVIDIA、AIファクトリー実現に向け協業
ロームは、次世代AIデータセンターに向けた「800V電力供給アーキテクチャ」の開発で、NVIDIAと協業する。新たなデータセンターの設計に対しロームは、Si(シリコン)に加え、ワイドバンドギャップ半導体のSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)など、最先端のパワー半導体デバイスを提供していく。
ローム、SiC MOSFET用の新SPICEモデルを公開
ロームは、パワー半導体のシミュレーション時間を従来に比べ半減できる新SPICEモデル「ROHMレベル3(L3)」を開発した。L3の第4世代SiC MOSFETモデル(37機種)は既にウェブサイト上で公開しており、製品ページ画面などからダウンロードできる。
AIサーバ向け100V耐圧パワーMOSFET、ロームが発売
ロームは、48V系電源のAIサーバ向けホットスワップ回路やバッテリー保護が必要な産業機器電源などの用途に向けた100V耐圧パワーMOSFET「RY7P250BM」を開発、販売を始めた。新製品は高いSOA(Safe Operating Area)耐量と低オン抵抗を両立させた。
ローム初の高耐圧GaNデバイス向け絶縁ゲートドライバーIC
ロームは、同社初となる高耐圧GaN HEMT向け絶縁ゲートドライバーIC「BM6GD11BFJ-LB」を開発した。GaNデバイス製品と組み合わせることで、高周波・高速スイッチング駆動を実現し、モーターやサーバ電源などを小型化・高効率化できる。
実装面積を半減、ロームの車載充電器向け新SiCモジュール
ロームが、電動車(xEV)用オンボードチャージャー(OBC)向けに新たなSiC(炭化ケイ素)モジュールを開発した。高放熱パッケージおよび低オン抵抗の第4世代SiC MOSFETによって一般品DIPモジュール比で1.4倍以上と「業界トップクラス」(同社)の電力密度を実現し、実装面積の大幅な削減を可能とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.