東芝の欧州現地法人であるToshiba Electronics Europeは、世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Expo&Conference 2025」で、逆導通IGBT(RC-IGBT)搭載の2in1両面冷却モジュールや2in1のSiCモジュールのサンプルおよび、それぞれのベアダイなどの電動車(xEV)インバーター向け製品を公開。この市場をフルラインアップで攻める姿勢を示していた。
競争が激化する電動車(xEV)向けパワー半導体の中でも、市場が大きく主力分野とされるのが、トラクションインバーターだ。この分野に対し、東芝は独自技術を生かしたSiC MOSFETとシリコンIGBTの両軸での展開を強調している。
東芝の欧州現地法人であるToshiba Electronics Europeは、ドイツで開催された世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Expo&Conference 2025」(2025年5月6〜8日)において、逆導通IGBT(RC-IGBT)搭載の2in1両面冷却モジュールや2in1のSiCモジュールのサンプルおよび、それぞれのベアダイなどのxEVインバーター向け製品を公開。この市場をフルラインアップで攻める姿勢を示していた。
下図は、東芝のxEVインバーターなど向けパワー半導体の概要と投入スケジュールだ。同社は、シリコンIGBTとSiC MOSFETの両軸で製品を展開していく方針を継続する。
シリコンのIGBTとして展開を進めるのは、独自技術によって従来の課題を解決するRC-IGBTだ。RC-IGBTは、フリーホイールダイオード(FWD)を1チップで構成した素子によって、パワー半導体素子のチップ面積を削減。また、放熱面積が大きく熱抵抗を低減できるため、システムの小型化や低コスト化に貢献するデバイスだ。一方で、同一素子内にIGBTとFWDがあることでそれぞれの設計最適化が課題となる。
東芝のRC-IGBTでは、FWD動作時にIGBT側からの過剰な正孔の注入を抑制させることで、IGBTの特性を損なわずにFWDの特性を改善できるという。
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