米Seagate Technologyと米Western Digitalの2024会計年度(2024年6月期)の通期業績を紹介する。
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)は、2024会計年度(2024年6月期)の通期(年間)業績を公表した。公表日は同年度第4四半期の業績発表日と同じで、Seagateが2024年7月23日、WDが同年7月31日である。Seagateの四半期業績は本コラムの前々回、WDの四半期業績は本コラムの前回で概要をご報告した。
なお両社は、前年の7月から本年の6月までを会計期間と定めている。両社の前会計年度(2023会計年度)の業績概要は、本コラムの第255回でご報告した。
はじめはSeagateの2024会計年度業績を説明していこう。売上高は前年比11.3%減の65億5100万米ドルである。2年連続の減少となった。営業損益は前年の赤字転落から、1年で黒字に戻した。営業利益(GAAPベース)は4億5200万米ドルである。GAAPベースの粗利益率は23.4%と前年度(2023会計年度)の18.3%から5.1ポイント上昇した。
売上高が2年連続で減少しているのにもかかわらず営業損益が黒字に転換していることから、経費の削減を大胆に実行したことがうかがえる。
主力製品であるHDD事業では、最近は大容量品(マスキャパシティ品)の割合が上昇しつつある。2018年度(2018年6月期)には45%だったのが2020年度(2020年6月期)には57%に上昇した。2年後の2022年度(2022年6月期)には74%とさらに上昇し、大容量HDDへの依存度が高まった。
景気後退に突入した2023年度(2023年6月期)以降も、大容量品依存の傾向は変わらない。2024年度(2024年6月期)は大容量品の割合が80%に達した。
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