昨今のAIの発展に伴い、先端AI向けの半導体には、インターポーザーを介して複数のチップを高密度に接続し、高速伝送を実現する2.xDパッケージが用いられる。その中でもさらなる高集積化のため、チップ数の増加に伴うインターポーザーの大型化がトレンドになっている。
シリコンウエハーから作られるシリコンインターポーザーの場合、300mmウエハーからは9.5レチクル(約73×108mm)サイズのインターポーザーが4個しか切り出せず、歩留まりが悪い。一方、510×515mmパネルレベルの有機インターポーザーであれば、1枚あたり24個のインターポーザーが切り出せるため、インターポーザーの大型化と歩留まりの課題に対応できる。
しかしパネルの大型化には反りの増大や、位置合わせ精度、有機素材の塗布における面内均一性の向上など、さまざまな技術的課題が伴う。その解決にはプロセス全体を通しての技術確立や向上が必要になるので、レゾナックが幹事となって、共創の場としてJOINT3を設立した。
設立に伴い、活動拠点としてレゾナックの下館事業所(茨城県結城市)内に「APLIC(Advanced Panel Level Interposer Center)」を新設。2026年の試作ライン稼働を予定していて、再配線層(RDL)インターポーザーは配線幅/間隔は1/1μm以下、配線総数は5層以上を、チップ埋め込みインターポーザーは配線幅/間隔2μm/2μm以下を開発目標として、8〜12レチクルのインターポーザーを510×515mmパネルラインで作製するという。
APLICで作製されたインターポーザーは、レゾナックのパッケージングソリューションセンター(川崎市)で2.xDパッケージに組み立てられ、解析や信頼性評価などが行われる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.