STマイクロエレクトロニクスは、窒化ガリウム(GaN)用のハーフブリッジゲートドライバーICとして「STDRIVEG210」と「STDRIVEG211」の2製品を発表した。産業用機器やコンピュータ周辺機器などにおける電力変換用途に向ける。
STマイクロエレクトロニクスは2025年10月、GaN(窒化ガリウム)ハーフブリッジゲートドライバーICとして「STDRIVEG210」と「STDRIVEG211」の2製品を発表した。産業用機器やコンピュータ周辺機器などにおける電力変換用途に向ける。
新製品は最大定格レール電圧が220V。リニアレギュレーターを集積していて、ハイサイド/ローサイドの6Vゲート信号を生成できる。両製品とも、ハイサイドドライバーに容易に給電できるようにブートストラップダイオードを集積していて、設計を簡略化して部品点数を削減できる。シンク電流を2.4A、ソース電流を1.0Aと、それぞれの独立したゲート駆動パスを作ることで、高速スイッチングを可能とし、dV/dt調整も容易に行えるという。
また、貫通電流を防ぐインターロックなどの保護機能を備えながら、デッドタイム動作を短縮するためマッチング時間を10ナノ秒に削減した。これによりハイサイド/ローサイドドライバーの伝搬遅延時間を短くできる。低電圧ロックアウト(UVLO)機能なども搭載した。
STDRIVEG210は、共振およびハードスイッチングの回路構成に適している。サーバや通信基地局向け電源やバッテリーチャージャー、アダプター、太陽光発電システム用マイクロインバーター/オプティマイザーなどの用途に向ける。起動時間は300ナノ秒と速く、バーストモード時のウェイクアップ時間を最小限に抑えられる。
STDRIVEG211は、過電流検出やスマートシャットダウン機能を備えている。このため電源装置の他、電動工具や電動自転車などのモーター駆動やD級オーディオアンプといった用途に提案していく。
両製品は既に量産中で、パッケージは外形寸法が5×4mmの18端子QFNで供給する。1000個購入時の単価は約1.22米ドルだ。
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