田中貴金属工業は、100℃前後の低温領域で高い水素透過性能を示すパラジウム(Pd)水素透過膜「HPM-L111」を開発し、サンプル品の供給を始めた。水素センサーや燃料電池、真空装置の水素除去などの用途に向ける。
田中貴金属工業は2026年3月、100℃前後の低温領域で高い水素透過性能を示すパラジウム(Pd)水素透過膜「HPM-L111」を開発、サンプル品の供給を始めたと発表した。水素センサーや燃料電池、真空装置の水素除去などの用途に向ける。
Pd水素透過膜は、水素を吸蔵、透過する特性を備えたPd合金を、薄膜化した製品である。ただ、金属膜で水素を効率よく透過させるには、300℃以上の高温で用いる必要があった。例えば、Pd含有率が60%、銅含有率が40%の「PdCu40」であれば、最高水準の特性を得るために、約400℃という高温領域での運用が求められる。このため、加熱設備などを別途用意しなければならず、コスト高の要因となっていた。
新たに開発したHPM-L111は、独自の表面処理技術により、膜表面に微細な凹凸構造を形成した。これによって金属膜の比表面積が拡大し水素の侵入速度が向上。100℃前後の低温領域においても、高い水素透過性能を実現した。100℃前後の低温領域で高純度の水素精製が可能な金属膜は「世界でも初めて」という。
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