メディア

100℃前後でも透過性能が高いPd水素透過膜を開発、田中貴金属高純度の水素精製が低温で可能に

田中貴金属工業は、100℃前後の低温領域で高い水素透過性能を示すパラジウム(Pd)水素透過膜「HPM-L111」を開発し、サンプル品の供給を始めた。水素センサーや燃料電池、真空装置の水素除去などの用途に向ける。

» 2026年03月09日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

独自の表面処理技術を活用し、膜表面に微細な凹凸構造を形成

 田中貴金属工業は2026年3月、100℃前後の低温領域で高い水素透過性能を示すパラジウム(Pd)水素透過膜「HPM-L111」を開発、サンプル品の供給を始めたと発表した。水素センサーや燃料電池、真空装置の水素除去などの用途に向ける。

HPM-L111の外観[クリックで拡大] 出所:田中貴金属工業

 Pd水素透過膜は、水素を吸蔵、透過する特性を備えたPd合金を、薄膜化した製品である。ただ、金属膜で水素を効率よく透過させるには、300℃以上の高温で用いる必要があった。例えば、Pd含有率が60%、銅含有率が40%の「PdCu40」であれば、最高水準の特性を得るために、約400℃という高温領域での運用が求められる。このため、加熱設備などを別途用意しなければならず、コスト高の要因となっていた。

 新たに開発したHPM-L111は、独自の表面処理技術により、膜表面に微細な凹凸構造を形成した。これによって金属膜の比表面積が拡大し水素の侵入速度が向上。100℃前後の低温領域においても、高い水素透過性能を実現した。100℃前後の低温領域で高純度の水素精製が可能な金属膜は「世界でも初めて」という。

左が従来の「PdCu40」、右は開発した「HPM-L111」の断面図[クリックで拡大] 出所:田中貴金属工業
HPM-L111と従来品の特性比較[クリックで拡大] 出所:田中貴金属工業
HPM-L111における水素透過係数の温度依存性[クリックで拡大] 出所:田中貴金属工業

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.