AMDは、開発者コミュニティーの構築に向けたアグレッシブな目標を掲げ、現在は開発者の支援活動 に積極的に取り組んでいる。重要なのは、ROCmが現在、AMDの「Strix Halo」を搭載したノートPCで追加設定なしに動作しているという点で、AMDはこれによって、開発者をプラットフォームに取り込めるようになると期待しているという。Elangovan氏は、「当社は通常、データセンター向けハードウェア『Instinct』に向けたバージョンをリリースするのと同じ日に、WindowsノートPC向けにROCmのアップデートもリリースしている」と述べる。
Elangovan氏は「開発者コミュニティーに直接関与することは、非常に重要だ」と述べる。
「私はX(旧Twitter)を使うことにはあまり乗り気ではないが、プラットフォームに参加し、当社が開発者向けにどのような取り組みを進めているのかについて、現場レベルの視点から発信している」(Elangovan氏)
同氏は、「フォロワーが増え始め、私の副業の1つになった」と笑いながら語る。
また同氏は、Xで「ROCm」や「ROCm sucks(ROCm最悪)」「AMD software not working(AMDのソフトは使えない)」などのキーワードを自らモニタリングし、全てに返信しているという。
「その大半は、単なる教育の問題だ。匿名の開発者たちに、可能な限りアドバイスやサポートを提供している」と付け加えた。
「AMDは2025年に、ROCmに対する不満についてGitHubで投票を実施し、1000件を超える回答を得た。その多くは、旧型ハードウェアのサポートに関するものだったが、現在ではAMDやコミュニティーが対応済みだ。そして1年後、その1000件の不満全てに対処することができた。AMDにはGitHubの不満に対応するチームが存在するが、開発者たちには引き続きXで連絡してほしい。いつでも喜んで意見を聞きたいと思っている」(Elangovan氏)
同氏は「これにより雰囲気が大きく変わった。これまでAMDの開発者たちは、サポートされていないドライバーがあることに苛立っていたが、今は自分たちの取り組みが評価されていると確信できるようになったのだ。われわれが修正を行うと、ユーザーが『この解決方法は良かった。AMDはうまく機能するから、ぜひ試してみたい』と思うようになり、相乗効果が生まれる」と述べている。
同氏は、2026年後半に出荷予定の「MI450」について、非常に楽しみにしているという。しかし開発チームはその他にも、CUDAとは異なるROCm向けの機能についても検討し始めており、開発者にとっての基盤となる堅牢なプラットフォームとしての枠を超えていく考えだ。
「われわれはROCmを、この先10年間の基盤的なプラットフォームにしていきたい。新しいハードウェアが登場した時に、何が起こるのかということを心配する必要をなくすべきだ」(Elangovan氏)
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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