ダイヤメットは「TECHNO-FRONTIER 2026」で、独自の電源トポロジー「TriMagiC Converter」を採用した1.6kWの絶縁型DC-DCコンバーター試作基板や、トランス向けの圧粉コアなどを展示した。TriMagiC Converterを採用した電源基板は、従来のトポロジーを採用した場合に比べ、サイズを約3分の2に小型化できるという。
ダイヤメットは「TECHNO-FRONTIER 2026」(2026年7月15〜17日、東京ビッグサイト)に出展し、独自の電源トポロジー「TriMagiC Converter」を採用した1.6kWの絶縁型DC-DCコンバーター試作基板や、トランス向けの圧粉コアなどを展示した。
ダイヤメット(新潟市)は粉末冶金(やきん)の大手メーカーだ。粉末冶金法で製造するオイルポンプローターやスプロケット(歯車)など、主に自動車用の機械部品の開発、製造、販売を手掛ける。
ダイヤメットのブース担当者は「電気自動車の普及でエンジン周りの部品が少なくなっていく中、当社としてもう一つ、ビジネスの軸になる製品を開発したいとの考えから、粉末冶金法で製造できる磁性体部品に着目した。その一つとして開発を進めているのが、電源トランス用のコア材だ」と説明する。
ただし、この分野はプレイヤーが多い。そこでダイヤメットは、粉末冶金法で製造した圧粉コアを生かせる電源トポロジーを開発し、それとコア材を組み合わせて提供する戦略を立てたという。そのトポロジーがTriMagiC Converterだ。
TriMagiC Converterは、低透磁率の圧粉コアを使い、磁性体部品の扱い方を工夫することでDC-DCコンバーターの小型化、高効率化を実現する回路技術。TriMagiC Converterでは、磁性体部品がエネルギーを蓄積する際には平滑コイル(インダクター)のように動作し、エネルギーを放出する際にはトランスのように動作する。このため、従来は平滑コイルとトランスが担っていた2つの機能を、1つの磁性体部品に集約できる。これにより、PSFB(Phase Shifted Full Bridge)などの従来トポロジーでは大きな実装面積を占めていた平滑コイルとトランスのスペースを大幅に削減し、電源基板を小型化できる。
上記のようにTriMagiC Converterでは磁性体部品の扱い方が特殊なので、飽和磁束密度が高いコア材料が必要になる。「ダイヤメットの製品でいえば、センダストやアモルファスなどを使う。一般的にトランスに使われるフェライトでは、TriMagiC Converter回路方式に適用するのは難しい」(同社)
TriMagiC Converterを用いて試作した、サーバ電源用の1.6kW DC-DCコンバーターは、従来トポロジーを用いた場合に比べ、磁性体部品のコアのサイズは約3分の1に、基板サイズは約3分の2に小型化できた。
一方で、トポロジーの新規性が高い点が、設計に採用される上では障壁になっているとダイヤメットは話す。「顧客(電源メーカー)にとっては設計の変更が生じるので、採用の障壁が高い。当社は技術サポートや設計サポートツールの提供に力を入れていて、顧客が試作しやすい環境と体制を整えている」
TriMagiC Converterに用いるコアの材料として、センダストが4種類、アモルファスが2種類のラインアップをそろえている。形状はEEコアが5種類、トロイダルが2種類ある。ただし「粉末冶金は形状の自由度が高いので、カスタムの要望があれば金型は作れる」という。コアのサンプルは提供可能だ。
さらに、ダイヤメットは現在、TriMagiC ConverterをPoL(Point of Load)コンバーターに応用すべく、理論検証やシミュレーション、動作確認を名古屋大学とともに進めている。
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