AIの発展に伴ってデータの重要性が高まる中、STマイクロエレクトロニクスはAIが活用するためのデータを取得する手段としてイメージング製品を強化している。STが描くイメージング製品戦略と新製品の特徴を紹介する。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は2026年6月22日、小型dToF(ダイレクトTime-of-Flight)3D LiDARモジュール「FlightSense VL53L9」を発表。それに伴い同日、メディア向け説明会を開催し、同社のイメージング製品戦略や新製品の特徴について説明した。
STのイメージング製品事業は1999年、エディンバラ大学発のスタートアップだったVision Groupを買収したことから始まった。以来、ToF測距センサーやグローバルシャッター式イメージセンサー、周辺光センサーやメタサーフェス回折光学素子などを手掛けてきた。ToF測距センサーは30億個以上、グローバルシャッター式イメージセンサーは16億個以上出荷し、「欧州でナンバーワン」(ST)の実績だという。
STのイメージング製品事業における現在の中核アプリケーションはスマートフォンやPC向けで、主に顔認証やカメラアシストなどに用いられている。ST アナログ・MEMS・センサ製品部 アナログ・MEMS・センサ製品&スマートフォン コンピテンスセンター 統括部長 古川雅一氏はSTの強みについて「設計から製造まで一気通貫で行う垂直統合型デバイスメーカー(IDM)であることや、マイコン、プロセッサ、パワー製品なども取りそろえていることが強みだ」と話した。評価環境やソフトウェアも含めて提案することで、顧客の開発サイクル短縮が期待できるという。
今後は、AIの発展に伴ってデータの重要性が高まる中、AIが活用するデータを取得する手段としてイメージング製品を強化する方針だ。STは、画像だけでなく、距離や近赤外などの人間の視覚では捉えにくい情報も含めて「スマートなデータ」として取得することで、AI処理の効率化につなげる考えを示した。
今後特に成長を見込む領域として挙げたのが、車載システム、産業機器、ヒューマノイドロボットなどだ。車載ではドライバーモニタリングや乗員検知、産業機器ではマシンビジョンやロボット、物流、監視用途などを想定する。ヒューマノイドロボットや拡張現実(AR)/仮想現実(VR)といった先端アプリケーションでも、周囲環境や人の動きを捉えるセンサーとしての需要拡大を見込む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング