先端プロセスの開発を続ける一方、Zhang氏は「トランジスタだけでは十分ではない」と強調した。AI向けシステムの演算性能を高めるには、ロジック半導体の微細化に加え、複数のロジックダイや広帯域メモリ(HBM)を高密度に統合する技術が重要になるからだ。
TSMCは、2.5次元(2.5D)集積技術「CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)」を継続的に大型化する。2026年には、歩留まり98%超を実現した5.5レチクルサイズのCoWoSを量産する。2028年には20基の広帯域メモリ(HBM)を搭載する14レチクルサイズ、2029年には24基のHBMを搭載する14レチクル超サイズを量産する計画だ。
3次元(3D)集積技術「SoIC(System on Integrated Chips)」では、2028年に6μmのボンドピッチでN2世代のロジック同士を積層する「N2-on-N2」、2029年には4.5μmのボンドピッチでA14世代を積層する「A14-on-A14」を量産する。SoICは、CoWoSと比べて接続密度を56倍、電力効率を5倍に高められるという。
チップ間接続については、従来の銅配線から光接続への移行を進める。シリコンフォトニクス技術「COUPE(Compact Universal Photonic Engine)」を用いたCPO(Co-Packaged Optics)は、基板上に搭載した場合、銅配線と比べて電力効率を4倍に高め、遅延を10分の1に低減する。光エンジンをインターポーザー上に配置すれば、電力効率は10倍、遅延は20分の1になるという。COUPEを採用した200Gビット/秒(Gbps)のマイクロリング変調器は、2026年に量産を開始する予定だ。
TSMCは技術開発と同時に、生産能力も拡大する。N2とA16の生産能力は2026〜2028年に年平均成長率(CAGR)70%で拡大する見通しだ。CoWoSとSoICの生産能力は2022〜2027年にCAGR 80%以上で拡大している。Zhang氏は「AI需要は顧客にとって一生に一度というレベルのチャンスだ。できることは全て行い、キャパシティーを拡大している」と述べ、先端ロジックとパッケージングの双方で供給能力を増強する方針を示した。
Zhang氏は「1兆5000億米ドルの半導体市場は、4兆米ドルのエレクトロニクス産業の土台になる。これはさらに15兆米ドル以上のIT産業になり、150兆米ドルのGDPを生み出す」として、「素晴らしいAIの未来を人類のために作っていきたい。最良の日々はまだこの先にある」と強調した。
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