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「ZAMで再び日本にメモリ技術基盤を」 SAIMEMORYの構想とは29年度中の実用化目指す(2/4 ページ)

» 2026年08月18日 13時30分 公開
[杉山康介EE Times Japan]

垂直ビルドだけじゃない、ZAMを形作る技術とは

――改めてZAMの技術的な詳細を教えていただけますか? 基盤になっているIntelの技術はどの部分でしょうか。

朝倉氏 Intel由来の技術は大きく2つ、メモリのアクセス効率改善技術と積層技術だ。従来のDRAMでデータを読み込む場合、メモリの区画のうち、そのデータが保存された行全体をアクティベートする必要がある。本に例えるなら、1行の文章を読むために1ページ丸ごと読み込む必要があるような状態で効率が悪い。Intelは、より小さい区画のアクティベートで済むアーキテクチャを開発して、アクセス効率を改善した。

 もう1つが「Via-in-One」と呼ばれる、複数枚のDRAMダイを一気に貫通、接続できるシリコン貫通電極(TSV)技術だ。信号伝送や電力効率を改善することが可能で、8〜9枚のダイをまとめて接続するところを目指している。

 こうしてメモリの性能を上げたが、ホストダイに対してDRAMを平行に積層する方式は、配線層で放熱が妨げられるため、20層程度が積層の限界とされている。ZAMは「垂直ビルド」構造によって放熱問題を解消し、理論上、積層枚数の限界をなくした。しかし薄いDRAMを立てるとなると、はんだでホストダイと接着するのは物理的に困難になるため、磁界結合無線通信I/Oで無線接続する方式を採用した。

NEDO採択のZAM開発プロジェクト概要 NEDO採択のZAM開発プロジェクト概要[クリックで拡大]出所:SAIMEMORY

――一見すると垂直ビルド技術が印象的ですが、さまざまな重要技術が絡み合って初めてZAMが成り立つわけですね。

朝倉氏 垂直ビルド自体も東京大学が長らく研究を続けていた技術で、今回それを応用させてもらった。1つの強力な技術があるのではなく、研究されていた技術を掛け合わせていることがSAIMEMORYの特徴といえる。

――ZAM開発において、特に難しいポイントはどこでしょうか?

朝倉氏 今まさに取り組んでいるところだが、無線接続はチャレンジングなポイントの1つだ。物理的に固定しないためズレが発生しやすく、DRAMを並べる枚数が増えれば比例してズレも大きくなっていく。ズレをしっかり管理して問題なく通信できるようにすることが目下の課題で、ここをクリアしたら次は量産レベルで実現することが課題になってくるだろう。

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