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「持ち運べるテラヘルツ波デバイス」で市場開拓へ ローム第2世代品は最大発振出力4倍(1/3 ページ)

ロームは、共鳴トンネルダイオード(RTD)を用いたテラヘルツ波発振デバイスの第2世代品を開発した。第1世代品と同じサイズで発振出力を4倍に高め、測定対象の拡大を図る。同社は小型で扱いやすい評価キットを通じて利用者を増やし、テラヘルツ波の用途開拓と市場形成につなげる考えだ。

» 2026年08月18日 15時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 ロームは2026年8月4日、共鳴トンネルダイオード(Resonant Tunneling Diode:RTD)を用いたテラヘルツ波発振デバイスの第2世代品を発表した。第1世代品と同じサイズでありながら、発振出力を最大40μWと4倍に高めた。発振/検出デバイスや評価ボード、ケーブルをセットにした評価キット「RTD-EVK-G2」として、同年8月から35万円(税別)で販売する。

 ローム 研究開発センター長の中原健氏、同センター 融合技術研究開発部 グループリーダー/技術主幹の鶴田一魁氏、共同研究を行う東京科学大学 総合研究院 未来産業技術研究所 教授の鈴木左文氏に、RTDデバイスの特徴と今後の展開について聞いた。

左から、東京科学大学 鈴木左文氏、ローム 中原健氏、ローム 鶴田一魁氏 左から、東京科学大学 鈴木左文氏、ローム 中原健氏、ローム 鶴田一魁氏[クリックで拡大]

「持ち運べる」テラヘルツ波デバイス

 テラヘルツ波は電波と光の中間に位置する電磁波で、電波の透過性と光の直進性を併せ持つ。水分や材料によって吸収、透過特性が異なるので、センシングやイメージング、非破壊検査などへの応用が期待されている。

テラヘルツ波の概要とロームによる研究の歴史 テラヘルツ波の概要とロームによる研究の歴史[クリックで拡大] 出所:ローム

 一方、従来のテラヘルツ波発生方式は装置が大型、高価になりやすかった。周波数逓倍方式では高周波信号源などが、フォトミキシング方式では複数のレーザー光源や光増幅器などが必要になる。

 これに対しRTDは小型で、周辺装置も簡素化しやすい。鈴木氏は「コンパクトで持ち運び可能なサイズになることは、RTDを用いたテラヘルツ波デバイスの大きな特徴だ。自分のかばんに入るようなサイズは今までになかった」と説明する。ロームは2008年から東京工業大学(現東京科学大学)とRTDの研究を開始し、大阪大学や京都大学などとも共同研究を進めてきた。2024年には第1世代品の研究開発用サンプルの試験販売を開始した。

ロームのテラヘルツ波RTDデバイスと他方式との比較 ロームのテラヘルツ波RTDデバイスと他方式との比較[クリックで拡大] 出所:ローム
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