6個目が「批評家の存在」だ。Waymoはシミュレーション/実走行の両方において、Waymo Driverの運転を評価する「AI Critic(AI批評家)」を構築している。これによりWaymo Driver自身が甘めの自己採点をすることを防ぎ、先述のAIベース検証レイヤーとあわせてオンボード/オフボード両面から厳格な検証を行う。
7個目が「視覚言語モデル(VLM)の活用」で、運転には複雑かつ思考の連鎖を伴う推論が求められる。そういった推論ではVLMが役に立つが、リアルタイムの車両制御に使うには処理速度が遅い。Waymoでは、リアルタイム思考には直感的な処理とセンサーフュージョンを、複雑な推論にはVLMを使う「Thinking Fast and Slow(ファスト思考とスロー思考)」アーキテクチャを採用している。
8個目が「自動運転AIの有効性は評価するガバナンスで決まる」ということで、AIの性能だけでなく、運転やシミュレーション、評価まで厳格な安全基準のもとで一体的に運用する包括的なフレームワークが必要だとする。
9個目が「データフライホイールによる改善」で、「3億5000万km以上の走行実績によって、Waymo Driverが人間のドライバーよりも安全だということが統計的に証明されている。この基盤が開発のフライホイールをさらに加速させる」(Thirumalai氏)という。
そして10個目が「完全自動運転の実走行経験に代わるものはない」ということ。Thirumalai氏は「真に完全自動運転が成熟するのは、走行タスクに対し、システム自身が全責任を負うようになってからだと考えている。これを達成するためにはシミュレーションやテストコースだけでなく、実際の道路を何kmも走行させて、自身の判断がどのような結果をもたらすのかを経験させないといけない」と述べた。
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