AIインフラや高性能コンピューティング(HPC)の発展に伴い、データ伝送に光を用いる光電融合技術の重要性が高まっている。現在はラック間での光伝送などが行われているが、将来的にはチップ間、チップ内の伝送にも活用が見込まれる。
従来のEDAでは、電気/光それぞれのシミュレーション結果を手作業で統合する必要があり、干渉領域における、システム性能に影響を与えるような現象を見逃す可能性があった。そこでKeysightは2026年6月、ADSにおいて電気/光/電気(EOE)の信号チェーン全体を単一の設計環境内でシミュレーション可能なソリューションを発表した。
「THz帯にわたる広帯域や高速エレクトロニクスにも対応し、光半導体の挙動を忠実に再現できる。パッケージだけでなくアプリケーションに焦点を当てたワークフローも備える。オープンで相互運用が可能なプラットフォームであることも重要なポイントだ」(Zou氏)
電子機器は高性能化が進む一方、設計の高度化かつ高密度化により、電気や熱、機械など複数にわたる物理領域の相互作用(マルチフィジックス)が引き起こす不具合のリスクも高まっている。そこでKeysightは2026年8月、マルチフィジックスに対応可能な設計/検証ソリューション「Keysight Multiphysics」を発表した。
Keysight Design Engineering Software Central Strategy Group Senior DirectorのChris Mueth氏は「携帯電話のパワーアンプ用モジュールを見ても、2011年頃の製品は仕様の数が100程度だったが、2026年現在の製品では数千に上る。1つの仕様が他の仕様に影響を与える可能性もあり、全て検証することは難しい」と述べる。
従来、設計段階でマルチフィジックスの影響を評価することは難しく、完成して初めて不具合が明らかになるケースも多かったが、Keysight Multiphysicsは電子設計のワークフローに物理シミュレーションを統合し、シミュレーションの忠実度を向上させた。
第1弾として構造解析向けに、落下/衝撃/振動に対応したシミュレーション機能をリリースしている。Keysightでも本シミュレーションを用い、落下試験のバーチャル化を義務付ける方針を導入したという。
Zou氏は「近年の課題として、多くの顧客が設計や検証のバーチャル化を望んでいることが挙げられる。KeysightはAIアシスタント搭載EDAやEOEソリューション、マルチフィジックスシミュレーションの取り組みによって、顧客のシフトレフト実現を支援する」とした。
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