データセンターの急速な高性能化に伴う最も深刻な制約要因は、電力需要すなわち安定な大電力の調達となってきた。最近のプロセッシングに伴う消費電力はCPUノードが数百W、GPUノードに至っては1kWを超えており、近い将来にはさらに上昇すると予測される。
このためラック(複数のサーバー(プロセッサとメモリ、ストレージで構成)を格納した筐体)当たりの消費電力は数十キロワットから100kW級に増大しており、将来はさらに増加するとされる。40A契約の一般家庭1世帯による消費電力は約4kW(最大値)であり、仮にラック1台が28kWとすると、一般家庭7世帯に相当する。もちろん大規模なデータセンターがラック1台ということはありえないので、粗く100台と仮定すると、700世帯分の消費電力(2800kW)となる。
GPUを中心とした生成AI用途および高性能計算用途のサーバーを搭載するラックは1台の消費電力が100kWを超えるとされる。このような非常に高い消費電力のデータセンターは、大都市圏では電力インフラの増設余地が限定される。このことから、新規の大規模データセンターは郊外型データセンターとならざるを得ない。
そしてラック当たりの消費電力の急激な増加は、冷却方式と空調方式の転換を促す。従来の強制空冷の改良でも放熱能力が足りず、液体冷却を導入することになる。
(後編に続く)
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