アスターは2016年10月20日、銅線占積率90%以上の高密度な省エネコイルを開発し、その量産技術を確立したと発表した。モーターに搭載することで、従来より約5%の消費電力削減が期待できる。今後、ベンチマーク評価を行い、2018年ごろの量産品供給を目指すという。
アスターは2016年10月20日、銅線占積率90%以上の高密度な省エネコイルを開発し、その量産技術を確立したと発表した。同コイルは、抵抗値が少なく放熱性に優れているため、モーターに搭載することで従来より約5%の消費電力削減が期待できるという。
アスターが発表したリリースによると、世界の消費電力の50%以上はモーターによるものといわれている。モーターの効率化のためには、高密度コイルの研究開発が進められている。しかし、高密度にするほど、導体抵抗値の増加による発熱量の増加、熱の抱き込み、絶縁被膜の損傷などにより、逆に効率が悪くなってしまうことがあった。
今回開発したコイルは、独自の締結技術を活用した「ASTコイル」で、自由度の戦い形状設計ができるとする。モーターコアの形状にマッチした理想的なコイルを形成でき、モーターの小型化と高出力化を可能にする。
また、締結条件の検証や、高精度化/高速化に関係する要素の絞り込みを実施することで、量産試作機も開発。試作したコイルの性能評価では、銅線占積率90%以上の高密度とともに、従来型モーターの2分の1サイズで同出力実現を実現したという。
アスターは今後、生産したASTコイルを組み込んだ小型モーターを試作し、ベンチマーク評価を行っていく。2018年ごろに量産品供給ができるよう事業化を進めるとした。
なお、同研究開発は、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の支援により行われている。2016年10月26〜28日に東京ビッグサイトで開催される「NEDO省エネルギー技術フォーラム2016」で、ASTコイルと試作モーターが展示される予定だ。
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